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ジャックスが採用したモバイル決済サービスから鑑みる電子マネーの今後

Pay・ポイント
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ジャックスがひっそりモバイル決済サービスを始めていたので調べてみた。

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そもそもジャックスは非接触決済(電子マネー)に消極的だった

自社で電子マネーを運営している三井住友カードやJCB、楽天なんかは当然クレジットカード一体型を提供しているし、オリコカード等自社で運営していない会社も率先して複数の電子マネー搭載クレカを発行していたりする。
一方で高還元カードで人気のジャックスは電子マネーに力を入れていない。

  • 以前アンオフィシャルな話として聞いたのは以下だ。
  • カードにフェリカを搭載すると原価が100円程度あがる
  • 電子マネーで決済されるとブランドホルダー(SuicaならJR東日本)に手数料を取られる

そもそも高還元カードはいつ終わってもおかしくない綱渡りビジネスだ。
加盟店によって手数料は違うが、決済代金の3~5%がカード会社に落ちる。そこからアクワイアラ(加盟店開拓業者)に手数料を支払う。 すると残るのが2%とかになる。
そこから1.5%以上還元しているのだから高還元カードの利益は薄い。もっとも、1.5%付与しても使われずに失効する退蔵益があるので実際のユーザー還元率はもう少し下がる。
電子マネーは人気だが、よく使われているであろうコンビニではカード決済が可能だし、Suicaなどの交通系電子マネーは他のそれより採用基準が厳しいようでJR東日本グループのビューカード以外の採用はほとんどない。

いずれにせよ、ジャックスはそもそもが利益ギリギリなのでこれ以上の利益をひっ迫する電子マネーに手を出したくないようだ。

 ジャックスが実現した電子マネー

ジャックスが採用した電子マネーは「JACCS Visa payWave Mobile」および「JACCS MasterCard Contactless Mobile」 だ。
Visa payWaveはVISAが世界的に提供しているNFCを使った電子マネーで、MasterCard Contactlessも名前の通りMasterCardが提供するpayWave同様の仕組みである。

MasterCard Contactlessはオーストラリアでかなり普及しているようだ。
日本ではなじみが薄いが、イクスピアリや横浜市内の一部店舗等で実験的にNFC決済可能店舗が存在する。

実はジャックスもいきなり電子マネーを搭載したわけではなくVisa payWaveおよびMastercard コンタクトレス(paypass)搭載のクレジットカードは出していた。
前項記載の通り、無駄を極限まで排除するジャックスが、絶対に発行数が伸びそうにないこれらカードを発行していたのは今後の非接触決済進出の準備であろう事が伺える。

 

なお、2015年に終了した「Visa Touch」は三菱UFJニコスの提供していた「Smartplus」のOEM版のためVISA payWaveとの互換性は無い。
MasterCard PayPassは、MasterCard Contactlessの日本名で同一。いつの間にかPayPassという名称を使わなくなった。

 ジャックスが目指す非接触決済とは

出展:決済システムレポート(2016年3月)-日本銀行

電子マネーは2015年に5兆円弱決済されており、日本におけるクレジットカード決済の10分の1に相当する。
また、この5兆円は「プリペイド方式」のみの決済額であり、ポストペイ(後払い方式=iD、QUICPay)等は含まれていない。
1,000円以下の小額決済ではクレカの2倍以上使われておりジャックスとしても無視できない領域になってきたのだろう。

さらには2020年のオリンピックを目処に増え続けるインバウンド需要(外国からの観光客)に対応できるか否かによって市場の順位が大きく変わるであろうパラダイムシフトを迎えている。

ジャックスに限らず決済プレイヤーは中国で広く使われている銀聯(unionpay)を含めたクレジットカードに加え、 NFC型電子マネーへの対応を急ぐ必要があるのだ。

想定外のiPhone7

決済各社が虎視眈々と狙っている非接触決済における次世代ポジションだが1点大きく想定とずれたのがiPhone7だ。
どれだけネットワークを用意しても決済するための”かざすもの”がないと話にならない。
しかし発行する全てのカードにNFCを搭載すると非常にコストがかかる。また、普段財布に入れてもらえないサブカードの場合そもそも持ちあるいてもらえない。そもそもカードを取り出すならクレカ決済でよくない?
などなど、様々な理由によりスマホで決済させる方向に進んでいる。

ご存知の通り日本で一番売れているAppleのiPhoneはApple Payを。ライバルであるGoogleのAndroidはAndroidPayを始める。
皆これらのスマホとクレカを紐付ける事で決済プレイヤーになると考えたのだ。

しかし、iPhone7に搭載されたチップは世界共通にも関わらず、NFCのTypeA/Bと、Felica(日本の従来型電子マネー)のTypeFをリージョンという形で排他的にしか使えないような仕様にしてしまった。
もちろん日本で出たiPhoneはTypeFに設定されて出荷されている。 そのため、世界基準で作られたVisa payWaveおよびMasterCard Contactlessは現状使えないという事になる。

なので今のところジャックスモバイル決済サービスはNFC搭載のAndroidスマートフォンでのみの提供となる。また、これはおサイフケータイの延長戦上であり、Android Payではない。もっとも、利用者の立場からするとさほど気にする事はないのだが。

少なくともApple Payがポストペイ型決済を採用している関係上、今まであまり人気のなかったポストペイ型の普及が進むと思われる。
現金主義者がいる限りこれ以上増えないと思われているかもしれないが、絶対に増える。
今、都心部で切符が通せる改札がほとんどなくなったように、無人レジによるキャッシュレス決済が増えていく。
そうなると、現金主義者は不便を被る事になるが、多くの受け入れた人はレジの待ち時間が短縮され買い物が楽になっていくだろう。

電子マネーは規定路線で普及する

国としてもキャッシュレス決済推進を「日本再興戦略」にて閣議決定している。表面は経済発展のためだが、国民の金の流れを見える化し、脱税出来ない社会を作るためだ。

つまり、国も、民間も、消費者も望むサービスであることから電子マネーは2020年を待たずして飛躍的に発展していくのが規定路線なのだ。

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