2026年10月20日、JR東日本が新しいコード決済サービス「teppay(テッペイ)」を開始した。
PayPay、楽天ペイ、d払い、au PAYと、コード決済はすでに飽和状態。今さら新サービスを増やしてどうするのかと思ったが、11月4日から20%還元、しかもビックカメラでは条件次第で最大35%還元という、なかなか気合いの入ったデビューキャンペーンが用意されている。
ビックカメラといえば、かつてPayPayやau PAYの大型還元キャンペーンでも大きく話題になった家電量販店だ。今回もクリスマス商戦を控えたタイミングだけに、家電やゲーム機を狙う人には見逃せない。
ただし「35%」には通常ポイントが含まれるし、すべての商品で35%になるわけではない。teppayとは何なのか、どの支払い方法が得なのか、25,000円の還元枠をどう使うかまで整理してみたい。
teppayとは?Suicaが「移動の決済」から「生活の決済」へ

teppayは、モバイルSuicaアプリ内で使える新しいコード決済サービスだ。新しいアプリを入れる必要はなく、Suicaアプリから利用できる。モバイルPASMOへの導入も2027年春に予定されている。
従来のSuicaは、改札や店舗の読み取り機にタッチして支払う交通系IC決済。便利だが、チャージ残高の上限は2万円で、高額な家電を買うには向いていなかった。
一方、teppayはQRコード・バーコードで支払う別の仕組み。本人確認などの条件を満たせば、残高払いで最大30万円までの決済に対応する。teppayやSmart Codeのマークがある店舗で使え、残高の送金や、teppay残高からSuicaへのチャージ、別途発行するJCBプリカによるオンライン決済も可能だ。
ただし、Suicaとteppayの残高・加盟店は別物。Suicaが使える店で必ずteppayを使えるわけではないし、Suica残高からteppayへ移すこともできない。
QR乗車券への移行とも関係がある?
JR東日本は、Suicaを交通機関の決済手段から、買い物や送金などにも使う「生活のデバイス」に進化させる「Suica Renaissance」を進めている。teppayはその一環だ。
一方、2027年春から鉄道各社が導入する「QR乗車券」は、従来の磁気式の紙のきっぷを置き換える施策。Suicaのタッチ乗車がteppayのQR決済に置き換わるわけではない。
将来的にはタッチせず改札を通れる「ウォークスルー改札」なども構想されているが、これもteppayの店頭コード決済とは別の話だ。
つまりJR東日本としては、鉄道の乗り方も買い物の方法も同時に進化させようとしている。すべてが同じQRコードに統合されるというより、Suicaという生活基盤に複数のサービスを追加していると理解するのが正確だろう。
11月4日から20%還元。25,000円使えば5,000ポイント

サービス開始記念として「みんなでteppay!20%ポイント還元キャンペーン」が実施される。
| 期間 | 2026年11月4日~12月25日 |
|---|---|
| 還元率 | 20%(期間限定teppayポイント) |
| 上限 | 1人5,000ポイント |
| 対象 | 事前エントリー後、対象店舗で税込500円以上のteppayコード決済 |
| 付与時期 | 決済完了から7営業日後 |
25,000円の対象決済で、還元上限の5,000ポイントに到達する。もちろん還元上限は大きいに越したことはないが、今回も5,000ポイントは十分な規模だ。
注意したいのは、20%還元されるのは「teppayのコード決済」だけという点。Suicaへのチャージ、モバイルSuicaの定期券・グリーン券・おトクなきっぷ購入、teppay JCBプリカでの決済などは対象外となる。
また、事前エントリーが必須。還元されるのは期間限定ポイントで、予算上限に達すれば12月25日を待たずに終了する可能性がある。大型キャンペーンは早期終了もあり得るので、欲しいものが決まっているなら初動が重要だ。

ビックカメラでは最大35%。でも「上乗せ35%」ではない

さらにビックカメラは、teppay導入に合わせて独自のポイントアップを実施する。
ビックカメラSuicaカードをteppayの支払い元に直接連携し、対象店舗で1会計税込20,000円以上を「ビューカード連携支払い」で決済すると、通常ポイントに加えて最大4%のビックポイントが付く。
これとteppay共通の20%還元を組み合わせると、条件を満たす場合の最大還元率は次のようになる。
| 通常ポイント | 8% |
|---|---|
| アプリ提示分 | 2% |
| ビックカメラSuicaカード分 | 1% |
| 今回の独自の上乗せ | 4% |
| teppay20%還元 | 20% |
| 合計 | 最大35% |
つまり、普段から得られる最大11%に対して、今回新しく上乗せされるのが24%分。「35%還元」という見出しを額面どおり受け取ると少し違う。
なお、通常11%は対象商品でビックカメラ公式アプリを提示するなどの条件を満たした場合の数字。ゲーム機本体やApple製品など、元のポイント率が低い商品では最大35%にはならない。
ビックカメラ独自の4%上乗せは1人5,000ビックポイントが上限で、2027年2月下旬頃の付与予定。対象はビックカメラ実店舗・Air BicCameraであり、ビックカメラ.com、コジマ、ソフマップなどは対象外だ。
ビックカメラSuicaカードを持っていないなら、新規入会キャンペーンもチェック
ここまでビックカメラSuicaカードを持っている前提で紹介したが、持っていない人には新規入会キャンペーンも用意されている。
現在、ビックカメラSuicaカードは新規入会と利用条件の達成で最大11,000円相当のポイントがもらえるキャンペーンを実施中。申込・エントリー期限は2026年11月1日だ。
さらに、11月2日から12月25日にも、teppay導入に合わせた新規入会キャンペーンが予定されている。
こちらも最大11,000円相当だが、内訳は以下のとおり。
- 対象店舗でのカード利用額に応じて、抽選で最大6,000ビックポイント
- 店頭での即日発行とアプリ提示で1,000ビックポイント
- JCBブランドでの新規発行で1,000 JRE POINT
- モバイルSuicaのオートチャージ5,000円以上を含む、総額10万円以上のカード利用で3,000 JRE POINT
注意したいのは、最大11,000円相当が全員にもらえるわけではないこと。特に6,000ビックポイントの部分は抽選であり、満額獲得には相応のカード利用も必要になる。
なお、このカードは初年度年会費無料。2年目以降は524円(税込)だが、前年に年1回でも対象のクレジット利用があれば無料になるため、維持費の負担は小さい。
今回のビックカメラ独自の+4%還元を狙うなら、カードを発行するだけでなく、teppayへの登録と「ビューカード連携支払い」の設定も必要だ。
申し込んですぐに使えるとは限らないので、11月4日からの20%還元を狙う人は、カード発行までの日数にも注意したい。
なお、店頭では最短30分でカードを即日発行できるが、その場で受け取るのはビックカメラグループ店舗専用の仮カードのようなもの。teppayに連携できる国際ブランド付きの本カードは後日発行となる。
そのため、今回の20%還元とビックカメラ独自の+4%を組み合わせたい人は、カードの到着まで考慮して申し込む必要がある。
また、新規入会特典とteppayの還元キャンペーンは別制度。最大11,000円相当の入会特典は、必要な利用条件やエントリー条件を満たした場合に限られる。
※キャンペーン内容は2026年10月26日時点の情報。11月2日開始予定の新キャンペーンは、詳細条件が公開され次第、公式ページを確認してほしい。
25,000円前後で何を買う?
せっかくの20%還元なら、普段あまり値引きされないものや、いずれ買う予定だったものに使いたい。クリスマス前ということもあり、今回のキャンペーンとは相性がよさそうだ。
子どものクリスマスプレゼント・おもちゃ
レゴ、プラレール、ラジコン、知育玩具、ゲームソフトなどは候補。1個で25,000円に届かなくても、きょうだいのプレゼントをまとめたり、周辺機器や電池を一緒に買ったりすれば、還元枠を使いやすい。
ただし、ポイント欲しさに不要なものまで買えば本末転倒。店舗価格とネット最安値を比較したうえで選びたい。
Nintendo Switch 2やPS5も購入しやすくなった
発売当初は品薄が話題だったNintendo Switch 2だが、2026年10月現在、Amazonなどの大手ECはじめビックカメラ.comでも通常モデルに在庫ありの表示が確認できた。
希望小売価格は59,980円で、2026年5月に49,980円から値上げされている。
一方、PS5には日本語専用のデジタル・エディションが55,000円で登場しており、こちらもかつては品薄だったが今は通常の販売ルートで購入できる。11月19日発売予定のミッドナイト ブラックも同価格だ。
いずれも25,000円を超えるため、20%の還元率が購入額全体に適用され続けるわけではない。teppay共通キャンペーンで得られるのは最大5,000ポイントまで。例えば59,980円のSwitch 2を買っても、20%分は11,996ポイントではなく、上限の5,000ポイントとなる。
また、ゲーム機本体は通常のビックポイント付与率が低く、上記の「最大35%」の計算をそのまま使うことはできない。実店舗の在庫に加え、対象商品・還元条件を会計前に確認したい。
家電やガジェットなら、2万円前後の実用品
イヤホン、モバイルバッテリー、外付けSSD、キーボード、電動歯ブラシ、美容家電、コーヒーメーカーなど、日常的に使う2万円前後の製品も狙い目だ。
ビックカメラSuicaカードを持っているなら、独自の+4%が付く「1会計2万円以上」を意識してもよい。ただし、こちらも通常ポイント率や対象外商品には注意が必要。
POSAカードで残高を買いだめするのは?
NintendoプリペイドカードやApple Gift CardなどのPOSAカードを買っておけば、欲しいゲームが出たときに使えるのでは、と考える人もいるだろう。
ただ、POSAカードをteppayコード決済で購入できるか、さらに20%還元の対象になるかは、現時点で公式資料から確認できなかった。店舗によっても決済方法に制限があるため、還元対象と決めつけて買うのは避けたい。
また、Nintendo Switch Online加入者向けの「2本でお得 ニンテンドーカタログチケット」は、2026年1月30日で新規販売を終了している。そもそもSwitch 2専用ソフトは対象外なので、今回のキャンペーンで買いだめすることはできない。
teppay残高払いとビューカード連携払い、どちらがお得?
teppayの支払い方法には、チャージした残高から支払う方式と、ビューカードを直接連携して支払う方式がある。
通常のポイント還元は、残高払いで0.5%相当のteppayポイント、一般的なビューカード連携払いで最大1%相当のJRE POINTが目安になる。今回の20%キャンペーンは、条件を満たせばどちらのコード決済方法でも対象だ。
ビューカードを持っているなら、残高へチャージするより直接連携した方が有利なケースが多い。ビックカメラの追加4%を狙う場合には、さらに「ビックカメラSuicaカード」での直接連携払いが条件となる。
ビックカメラSuicaカードからteppay残高へチャージしても、チャージ時のJRE POINTは付かない。残高払いとビューカード連携払いを同時に使うこともできないので注意。
ちなみに、キャンペーンでもらえる5,000ポイントは期間限定のteppayポイントで、1ポイント=1円相当として利用できる。
ただし、ビューカード連携支払いとの併用はできないため、ポイントを使う際はteppay残高払いに切り替える必要がある。
また、期間限定ポイントは付与時期などによって有効期限が異なる。せっかく20%還元を受けても、使い切れずに失効させては意味がない。
貯めるところだけでなく、使い切るところまで考えておきたい。
PayPay、au PAYの大型還元を思い出すビックカメラのキャンペーン

大型コード決済キャンペーンとビックカメラの組み合わせは、今回が初めてではない。
2018年、PayPayの「100億円あげちゃうキャンペーン」は20%還元で大きな話題になり、当初の予定よりずっと早く終了した。2020年にはau PAYも20%還元を実施し、家電量販店が注目を集めた。
家電量販店は数万円単位の買い物が多く、20%還元のインパクトが大きい。決済サービス側にとっては、新しいサービスを一気に使ってもらう絶好の機会となる。
今回もteppayの利用促進だけでなく、モバイルSuicaとビューカードの接点を増やす狙いがあるのだろう。JR東日本が鉄道の外でどう決済サービスを育てていくのかという点でも興味深い。
まとめ:上限5,000ポイントをどう使うか。まずはエントリー
teppayは、Suicaの2万円上限を超える買い物にも対応する新しいコード決済サービスだ。今のところPayPayなどから乗り換える決定打があるとは限らないが、開始記念の20%還元は十分使う価値がある。
還元上限は1人5,000ポイント。最も効率よく20%を使い切れるのは25,000円の対象決済だ。クリスマスプレゼントや以前から購入予定だった家電・ガジェットを買う機会として検討したい。
ビックカメラでは、ビックカメラSuicaカードとの組み合わせでさらに最大4%の独自上乗せを受けられる。ただし、最大35%には普段のポイントが含まれているので、商品の通常ポイント率や他店価格も確認しよう。
私なら、まずはエントリーを済ませ、11月4日以降に欲しい商品を比較する。POSAカードなど対象が曖昧なものは無理に狙わず、確実に使う商品で還元を取りにいきたい。
※2026年10月26日時点の公開情報に基づく。各キャンペーンは予算到達による早期終了や条件変更の可能性がある。購入前に公式ページで最新情報を確認してほしい。


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