日本はほんの20年ほど前まで男は外に働きにいき、女は専業主婦で家を守るという構図が長く続いたため、家事で楽する事は悪しきものとされてきた。
そのため長らく食器洗い乾燥機の設置率は低かった。
しかし欧米の状況は日本とは全然違う。食洗機はほとんどの家庭に普及していて、たとえばアメリカの普及率は90%以上。なのに日本では最新の調査でも28%程度しか普及していない。
とは言え、ここ10年、高級賃貸や新築で建売住宅を買えばビルドインの食器洗い乾燥機は標準装備といったところで徐々に設置率は上がっているように思える。
一方、世の中の居住形態の大半を占める一般的な賃貸で食器洗い乾燥機がついている事はほぼない。
なので、個別に購入する必要があるのだが、昔は何社か参入していた食器洗い乾燥機も、冒頭記載の通りあまり売れないのでどんどん撤退し、国内では今やパナソニック1社のみの供給となっている。
※この記事を書いた後に、AQUA(元サンヨーの白物家電ブランドで今は中国系企業が運営)が後付食器洗い機に参入している。
今回は、後付の食洗機を購入し、自力で付けてみたのでレビューしたい。
なお、食洗機購入後、NP-TZ100、NP-TH2、NP-TA2と新機種が出ているが取り付け方法に差は無いので安価に取り付けたい方は参考にしてほしい。
食洗機を置かない理由
食洗機の設置が進まない理由の一つは”コンセント繋いで終わり”でないからではないかと思う。
そもそも本体が5万円以上する上、工事費と、分岐水栓(1万円以上)が必要となる。
ビックカメラで購入の上、設置依頼をした場合4,870円(税別・分岐水栓代別)~。
設置のみ依頼の場合、17,570円(税込・分岐水栓含)~ と、ある業者のサイトに載っていた。
この「円~(から)」が怖い。
実際呼んでみたら大掛かりな工事が必要で10万請求される可能性もあるわけだ。
また、工事業者と連絡し、貴重な休みの日に人を家に入れるため、事前に片付けなければならず結構なストレスとなる。
自分で設置してみた
とはいえ、よほど古い家でなければ壁に穴を開けたりどっかから配線を引っ張ってくる必要は無いはずだ。
ファミリー向けなら明らかに食洗機用であろうスペースがキッチン蛇口近くに確保されている事も多い。
我が家も十分な設置スペースがあったので、こちらに設置する事とした。
なお、スペースがなくとも多少シンクの広さを犠牲にして設置出来る設置台が売っているのでこういうものを使う事でたいていはなんとかなる。
設置に必要なもの
本体
食洗機は小さいのと大きいのがあるが大きいのですらたいして入らないので絶対大きいのを買おう。
大きい一番安いので良い。いろんなモードがあってもどうせ切り替えない。
食洗機は電気代が高いと言われるがそのほとんどが乾燥だ。
乾燥は使わず洗い終わったら開いておけば食洗機内の熱で乾く。

白物家電は毎年新製品が出るものの大差ない。新機種NP-TA2が発売しTA1の価格がかなり落ちてきており買い時だったが2019年5月時点でほとんど価格差は無い。そろそろTA1は完売しそうだ。
分岐水栓
※設置する蛇口のメーカー、種類によって必要な分岐水栓は違うので確認せずに上記を購入してはいけない!
賃貸でも建売でも、住む時に家のファシリティーの説明書をもらったはず。(大体キッチンや洗面台の下に置いてある)
そこからキッチン、水栓の説明書を探し型番を確認し、以下に入力して正しい分岐水栓を見つけよう。
なお、分岐水栓を作っているナニワ製作所にメールで相談するとむちゃくちゃレスポンス早く親身に相談に載ってくれた。
ちなみに私はメルカリで買った。
モーターレンチ
水栓の取り付け・取り外しに必要。最初他の道具でなんとかなるかと思ったが、無理だった。
これ一本で水回り全体に使える。今後のためにも買っておこう。
設置してみた
食洗機が届いたので設置を開始。
とりあえず設置予定場所に置いてみる。
うむ。ピッタリ。過ぎて後ろのキッチンのライト付けにくいが仕方ない。
設置時に給水用ホースと排水用ホースを付けておこう。
また、思いの外(見た目通り?)重いので気をつけよう。私は運んでいる途中に冷蔵庫にぶつけて少し凹んだ。
私の家はキッチンのみ水を止める止水栓がなかったので、元栓を止める必要があった。
大体外のガスのメーター付近にある扉の中にある。
引くくらい固くて手が痛くて泣きそうになった。
確認のため洗面所の水を出しながらまわしてもまわしても止まらない。
管理会社に電話して、本当にこのダイヤルが水の元栓か確認。
右(手前側)に回せば閉じられると言われ再開。
壊れるんじゃないかというくらい回し、ようやく止まった。
次に分岐水栓をつけるためキッチンの水栓を分解する。
分岐水栓によってやり方が違うので詳しくは取扱説明書を確認してほしいが私の場合は以下の手順だった。
まずレバーをまっすぐ上にあげて外す。
モーターレンチを使って上の金具を外す
中の謎の物体を取る
なんやかんやで分岐水栓を取り付ける
困った事がおきた。
分岐水栓が希望の方向と逆にしか付かない。
むちゃくちゃ鋭角に曲がってしまった給水用ホース。
ここで、さっき設置に必要なモノのコーナーで紹介したナニワ製作所のサポートに問い合わせて解決した。
(中古だから部品2つがガッチリはまっちゃってた。確実に外れる事がわかったので壊す気でやったら無事外れた。)
設置して約半年使い続けているが問題なく使えている。
予洗いしなくても大丈夫との事だが、軽く水で流していれているし、うまく入れるのも結構難しい。
鍋・フライパンを始めとした大きなものは洗えない。
しかし慣れれば簡単なパズル。食洗機で細かいものを洗っている間に大きな鍋を手洗いすれば洗い物にかける時間が大幅に短くなるので買ってよかったと思っている。
ランニングコストと普段の使用したレビューは以下で詳しく説明中。

設置工事はしたくないけどどうしても欲しい!
読んでみたけどやっぱり無理。設置業者も家に入れたくないから諦める!って人は、工事不要の食洗機を検討してみよう。
あまり入らないし、使う前に毎回水を補給する必要があるが意外と評価が高いので一人暮らしや食器の少ない家ならありかもしれない。
後日談「引越しました」
食洗機を設置して2年半、引越しをした。
原状回復のため、分岐水栓を取り外す必要があるのだが。。。。
マジではずれない。
水回りは癒着の発生が避けられず固くなる。モーターレンチに滑り止めをかませるが、円柱でひっかかりがないため全然取れない。
引越し&退去日は翌日。
今から業者の手配も難しい。今回引越しを依頼したサカイに相談するか・・・?と涙目になりながら右往左往。
水を元栓から止めているのでトイレに行きたくなったら困るとか色々考えて余計焦る。
手が疲れるのと精神を落ち着けるため一旦離れ深呼吸をし、もう一度素手でやってみたらまわった・・・。
多分モーターレンチで癒着は取れたが角度が悪く、手で行う事できれいにまわったのだろう。
“延長した何か”を抜き取りなんとか原状回復出来た。
ウォシュレットも自分で3回取り付け・2回取り外ししているが、食洗機の難易度というか、想定通りにいかない感と本当にこれで問題ないの?感は異様。
プロがやれば20分程度の作業だが素人だと数時間かかる。下手すれば数時間かけて終わらない。
蛇口の型番の数だけ分岐水栓が存在し、取り付け方も変わってくるので素人にはオススメできない作業だ。
最近だとくらしのマーケットで普通に頼むより安く、レビューを見て作業者を選ぶ事が出来るのでプロにお願いした方がいいなと思った。
初稿:2018年9月26日
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