新型コロナによって我々の生活は大きく変わった。
緊急事態宣言が明け、Go Toトラベルで人の移動も一部戻りつつあるが、個人だけでなく企業のあり方も大きく変わっていくと予想している。
ここでは、オフィスと住む場所が都内一極集中から変化するであろう近未来を考える。
afterコロナで週1出社
もはや週5で出社するスタイルはなくなり、部署やチームで曜日を分けて週1出社。
固定席はなくなり、フリーアドレスになる。
私物は一人1つのロッカーが与えられ、出社するとロッカーから必要なものを取り出し、退勤時に全てロッカーに片付ける。
自席があると色々モノを置いてしまうが、毎回片付けるとなると出すのも面倒になりオフィスからモノが減る。
当然オフィスは社員全員入れる広さ等いらない。面積は3分の1もあれば十分になるだろう。
もしかしたら何社かで1つのオフィスをシェアして使うなんて事もあるかもしれない。
他部署とまったく顔を合わさないのは会社としてシナジーを産めないので、一月~クオーターに1回全員集まる。
その日はベルサール等を借りれば良いし、そういう会社が増えてくれば、日中はデスクワークが出来るよう大会議室の他、執務室を備えた1日貸しオフィスなんかも生まれてくる事が予想される。
オフィスは都市部から離れる
とはいえ社員と取引先あっての企業運営。
東京の企業がいきなり四国に移転しますとか社員がついてこれないだろう。
新幹線停車駅が魅力。
特に新幹線停車駅の新横浜や大宮にオフィスを構える企業が増えるのでは。と思っている。
例えば新宿の会社が大宮に移転したとする。
他社とオフラインミーティングで東京駅に行きたければ在来線(上野東京ライン)で30分強。
(なお、新幹線使っても25分なので東京に出るのにあんまり意味ない)
大宮駅から新宿駅までも湘南新宿ラインで30分だ。
新宿だと20分以内でたいていのオフィス街に移動出来るから遠くなるのは間違いない。
しかし例えば新宿駅-豊洲駅間だって26分。ビジネス運営上は問題ないだろう。
大学や就職で上京した20代からすると埼玉は都落ちに感じるかもしれないが、大宮は埼玉一の繁華街であり、新宿や渋谷と町並みも似ている。むしろコンパクトな分便利だ。
東海道新幹線や羽田空港までは少し遠くなるが、あまり出張の無いIT系企業であれば実利のある街だと言える。
新横浜は少し遠いが東海道新幹線停車駅というのが魅力だ。
そもそもが、電子部品メーカー大手のマクニカ・富士エレホールディングスや、大手ドラッグストアのココカラファイン等、コロナの前から東証1部上場企業が本社を置いている土地。
都心では実現出来ないくらい道幅があり、横浜アリーナや日産スタジアムがあるのでイベント好きの社員には魅力に映るだろう。
横浜やみなとみらいも近い。横浜ランドマークタワーの最寄りである桜木町駅までブルーラインで15分だ。
こちらは元々品川にいるような出張が発生する製造業(メーカー)に人気になるのでは、と思っている。
もうちょっと都心に近い赤羽や蒲田で実現出来ないのか?と思うが、スタートアップベンチャーが雑居ビルに入るなら出来るだろうが、それなりの規模・社員数がある会社の場合コロンブスの卵で、街に魅力を感じてもちょうどよいビジネスビルが無いと入れない。
今すでにオフィス街の側面があるというのが大事なのだ。
社員はどこに住むのか
続いて社員だが
新宿→大宮勤務となった場合
きっと新宿勤務20代独身なら丸ノ内線沿線や中央線に住んでいるだろう。
荻窪から大宮まで新宿乗り換えで在来線で40分~50分程度。
東京離れたくない若者も週1回片道1時間程度の通勤なら不満も出ないだろう。
都内でも池袋や赤羽に引っ越せばさらに通いやすくなる。
一方、子育てはある程度自然が望める地方都市が良いけど仕事を優先して豊洲や武蔵小杉に住んでいる30代,40代は一時的にオフィスが遠くなるが子供の小学校入学タイミング等に合わせ宇都宮に住めば大宮まで新幹線で30分。在来線で1時間だ。
武蔵小杉駅から新宿駅が20分強、豊洲駅からは30分と新幹線ならほぼ通勤時間は変わらない。
月4回新幹線代を支給してもさほど定期代と変わらないはず。
パワーカップルなら都内は厳しいけど大宮や浦和ならリモートワーク専用部屋も作れる余裕のある部屋数に引っ越せるし、の一軒家買ってしまうなんてことだって夢じゃないだろう。
品川→新横浜勤務となった場合
品川勤務の若手だと、京浜東北線、京急線の南側に住んでいる事が多いと思われる。
男性なら蒲田や川崎、女性なら大森や青物横丁あたりが多いのではないだろうか。
大森駅からだと京浜東北線で東神奈川で横浜線に乗り換え、30分強で新横浜だ。
京急蒲田からでも横浜駅乗り換えで30分足らずでいける。
菊名乗り換えにはなるが、東横線沿線に引っ越せば渋谷にも横浜にも出やすい。
ファミリー世帯なら、東海道新幹線こだまで一駅隣りの小田原に住む事も出来る。在来線だと1時間以上かかるが、こだまに乗れば新横浜まで15分だ。
新幹線代がでなくとも、在来線で1240円かかり(JRだけで安くいくと990円)、こだまだと1980円なので月に数回なら自腹でも悪くないだろう。
小田原駅徒歩15分以内にあまりファミリー物件が無いのが課題だが、空きがあれば3LDKのマンションが10万以下で見つかる。月に数千円払えば温泉が楽しめる街に住めるわけだ。
最小限のオフィスと共にシェアオフィス契約
地方都市でダウンサイジングした企業は、もはや全社員が入る空間はないだろう。
そこで、月1回の全員集まる日用オフィス需要が高まる。
1フロア数百人のデスクがあるオフィスは、何も新しく用意しなくて良い。
Yahoo(赤坂見附)やサイバーエージェント(渋谷)など、5000人規模の体力ある会社が自身のオフィス跡地をレンタルオフィスにしてしまえばいいのだ。
もちろんビルの契約形態やセキュリティーの問題もあるのでビルオーナーなどの協力が不可欠だが、彼らもまさかこんな世の中になると思わずに超一等地にビルを建ててきたわけだ。
そのテナントがどんどん地方に出ていくのであれば別の利用法を考えなければならないわけで十分可能性がある。
通常のオフィスに必要なものはもちろん、ドリンクサーバーや簡易的なジムやパワーナップスペース、オプションで社食やフルーツなんかの福利厚生があってもいい。
社員達も月1回超都心の元々一流メガベンチャーが入っていたオフィスのファシリティーを楽しみ、夜は都心の飲食店にお金を落としてくれるわけだ。
みんな出社を楽しみにするだろう。
なんならちょっとした旅行気分でお金を落としてくれる。
馴染みの客は減るが、それでも連日客が来てくれるので都心部の飲食店も生き残っていけるだろう。
とはいえ営業マンはオフィスはいらないけど基本都心部にいた方が効率が良い。
彼らが営業途中に立ち寄れるシェアオフィスがあれば良い。
複数箇所にあるので今いる場所に近いところにいけば良いし、落ち着いたオンラインミーティング用スペースも確保出来るし、コピー機はもちろん、WiFiやフリードリンクもあるので非常に快適だろう。
彼らはロール上、都市部に住むのがほとんどだろうが、帰るのが遠いなら月に何回かはビジネスホテル代を会社で出してあげてもいいだろう。
もはや超一等地のオフィスは負債になるが、使い方次第で新たなビジネスは創出出来るはず。死ぬのは都会ではなく変化を止めたモノだ。
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