(未完成ですけどかなりかかりそうなので一旦アップします)
先に言っておくと、PayPayモールは2019年10月19日にリリースしたばかりのため今後のキャンペーンや戦略により大きく変わる可能性がある。
ソフトバンクとYahoo!の合弁会社であり、コード決済で先陣を切るPayPayが、オンラインショッピングサイトPayPayモール(ペイペイモール)をリリースした。
彼らには、Amazon、楽天に続く知名度でYahoo!ショッピングがあるのに何故新たなECサイトを作る必要があるのか、消費者としてお得なのか?を解説していきたい。
PayPayモールとは?
さて、PayPayモールのURLはこちら。https://paypaymall.yahoo.co.jp/
そう。Yahooのアドレスを使っている。
Yahoo!ショッピングが https://shopping.yahoo.co.jp/ なので、yahoo.co.jpより前のサブドメインをshoppingからpaypaymallにしただけだ。
ちなみに電子マネーPayPayは https://paypay.ne.jp/ であり、当たり前だが独自ドメインだ。
つまり、PayPayモールは(今のところ)Yahooのサービスである。
というか、Yahoo!ショッピングそのもの
ヤフーショッピングで商品を検索すると一部がPayPayモールのアイコンが出てくるがヤフーショッピングの一部として登場。
何これ?ヤフーショッピングでいいじゃん
消費者として、PayPayモールはお得なのか?
ヤフーショッピングはモールなので、いろんな店舗が出店している。
今はキャッシュレス5%があるので、5%もらえる中小企業から買った方が得だ。
もちろん、今後大型キャンペーンを打ってくるだろうからそこで変わってくるかもしれない。
しかし、正直いちいち意識する必要はない。
PayPayモールに出店している店舗は、Yahoo!ショッピング上からも検索可能なのでユーザーは今まで通りYahoo!ショッピングで検索して、欲しいものを売っている店の中から一番良い条件のものを選べばいい。
出店企業としてPayPayモールは良いのか?
PayPayモールは1800万人とも言われるPayPayユーザーの利用が期待出来る。
今のところPayPay決済アプリから直接買い物は出来ないが、アプリ内でPayPayモール導線が出来たり、購買データからおすすめ商品を表示し、数タップで購入出来るようになるだろう。
PayPayモールに出展出来るのは、ヤフーショッピングベストストアアワード受賞経験が必要だったり、ヤフーショッピング未出店企業の場合は年商100億円以上等敷居が高い。
そして、PayPayモールに出店すると、ヤフーショッピングからは撤退しないといけない。
その割に、今までヤフーが原資を持って割引してくれていたクーポンがPayPayモールは利用不可だったり中小企業がキャッシュレス消費者還元事業の参画事業者になっていればユーザーへ5%ポイント還元を上乗せ出来る中、PayPayモール出店可能な大企業はますます不利である。
Yahoo!ショッピングは失敗だった?
改めてユーザー視点で見ると、PayPayモールはYahoo!ショッピングから取り扱い商品を減らしたECサイトであり、ポイント還元率も低い傾向にあるのでYahoo!ショッピングで検索した方が断然良い。
じゃあなんのためにわざわざYahoo!ショッピングの劣化サイトを作ったのか?
それは、ヤフー株式会社、もしくは親会社であるソフトバンクグループ株式会社から見たときにYahoo!ショッピングは利益を出せないECだから。だろう。
2000年代、Yahoo!ショッピングは、楽天市場、Amazonと比較して商品数も価格優位性も低く低迷していた。
というかそもそもYahoo!自体がスマホシフトに乗り遅れ低迷し、検索とヤフオクとヤフーニュースくらいしか魅力的なコンテンツを持っていなかった。
Yahoo!が大きく変わったのは2012年、前宮坂社長が「爆速経営」の名の下に大幅な改革を行いほんの2~3年で誰もがオワコン扱いしていたYahoo!は取引先やユーザー向け施策だけでなく社員向け制度も一新。最新のIT企業に返り咲いた。
その中でYahoo!ショッピングがテコ入れされ、ECでしか使えなかったヤフーポイントを共通ポイントであるTポイントに変更し、出店無償化する事でユーザーも店舗も魅力に感じる市場を作った。
店舗からすると複数のECサイトに出店するのはショバ代(出店手数料)や商品在庫管理や更新作業が煩雑となるため大して売れないYahoo!ショッピングより楽天市場に注力していたのが出店無料となれば話は別だ。
出店手数料がかからなくなった分、店舗は商品の値下げを行った。すると楽天市場より安い商品で溢れた。
その上でヤフーはとにかくショッピングを盛り上げるためユーザーへポイント還元しまくった。
楽天がなんとポイント2倍(2%)!とか、10店舗買い回れば最大10%還元!!と言ってる中、単品購入でも10%、20%当たり前につけたのだ。
有償のYahoo!プレミアム会員だったので10%上乗せされているが、そもそもYahoo!プレミアム自体無料でなれた。(今でもなれる)
基本ポイントの原資は店舗持ちだが、それ以外のキャンペーンポイントは全てヤフー持ち。
ヤフーは出遅れた分、ライバル企業である楽天・Amazonから客を奪う必要があり、スイッチングコストとして利益度外視でポイント還元したわけだ。
蛇足な話だが、これによって他社よりポイントバックする事で登場したリクルートのEC、ポンパレモールは完全に空気となった。
他ECより少々品揃えは悪いけど、楽天、Amazonより便利な実店舗で使える共通ポイント、Pontaポイントが3%も還元されますよ!としたわけだが、Tポイントで数十パーセント貯まるYahoo!ショッピングに対してなんの対抗も出来なかった。
もしかしたらひっそり閉店してるかと思って数年ぶりに検索したらまだあった。
なお、「ネットショッピングでポイント」の代名詞だった楽天もSPUやポイント最大44倍キャンペーンを打って対抗している。
楽天で高額ポイントをゲットしようと思うと普段から楽天の複数のサービスを使った上で買い周りが必須となるのでなかなか厳しいところだが、すでに楽天エコシステムに飲み込まれているのであれば心地よい環境だと思う。
さて、話をYahooショッピングに戻すと今でも楽天市場、Amazon.co.jpの売上に勝てていないがそれでも上位2社が驚異に思う程度には盛り返したと思う。
ROI(損益分岐点)を気にする日本企業でなかなか出来る事ではないが、事実Amazonも利益度外視で安価な価格の上送料無料とした事でここまでの規模になった。
ある程度の社会インフラになるとプライム会員以外は一定額以下の商品では送料がかかるようにするなど改悪を行って利益改善している。
ヤフーもそろそろ利益体質に切り替えていかなければならない。それがどうも今回のPayPayモールとつながっていそうだ。
なぜ今PayPayモール?
利益改善するためにはポイント原資負担を減らす必要があるが、単純に減らすと改悪でユーザーが離れる。
ユーザーが離れると出店企業が離れる。
なので、Yahoo!ショッピングとは別のECサイトを作る必要があった。
あわせて、今はなき米Yahoo!の権利を持つVerizon傘下のOath(旧AOL)に対し「Yahoo!」名称を使うために売上高の3%ものライセンス料を支払っており、ソフトバンクグループは「Yahoo!」を捨てたがっているようだ。
なので、日本のインターネットサービストップの知名度を持つYahoo!から、「Zホールディングス」等という名称に社名を変えたし(まだ子会社としてのヤフー株式会社は存続)、もっと前にもイーモバイルとウィルコムを買収してYahooの子会社としてヤフーモバイルを作る予定だったが、土壇場でソフトバンクの子会社のワイモバイルとした。(※「Yahooモバイル」の名称でyahooとソフトバンクが共同運営するワイモバイルのオンラインストアが存在。キャリアではない)
これで、ZホールディングスのPayPayモールであれば「Yahoo!」の売上でなくなるのでライセンス料が不要となる。
クレジットカードはヤフーカードを名乗っているが、社名はワイジェイカード株式会社で、元々はYJカードだった。こちらに関しては、金融サービスのため安心感を与えるためにも「ヤフー」の知名度に頼らざるを得なかったのだろう事が推測される。
しかし私の予想ではそう遠くない未来、改めて「ワイジェイカード」にするか、現カードは募集終了し、PayPayカードを発行し、金融系は全てPayPayブランドで行くのではないかと思っている。
※LINEと合併が発表された。私の予想では、今後Yahooは知名度・ブランド力のある「LINE」ブランドを使っていくのではないだろうか?
ヤフーとLINEの経営統合が正式発表 https://t.co/db5wdbrlg1 @cnet_japanより
Yahooは米国法人への名称利用ライセンス料から逃れたがっているので、新社名はLINEになるかもな。(ライブドア方式)— KeisukeN (@kk2co) November 18, 2019
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