台湾の台北~台中に行くと至るところに置いてあるオレンジ色の自転車、「Ubike」(ユーバイク)。
レンタサイクルっぽいけど旅行者でも借りられるのか?と思いながら結局乗った事ない人多いのではないだろうか?
2019年~2020年の年末年始に台北でUbikeを実際に使ってみたので借り方・返し方をお伝えしたい。
なお、悠遊カード(Easy Card)を持っていれば簡単に借りられる!日本でも事前登録出来る!と書かれているブログがあるが、一部古い情報なので注意が必要だ。
2020年1月現在、簡単に借りられるようにするためのメンバー登録に、悠遊カードもしくはiPASSと、台湾の携帯電話番号、台湾のIDが必要だ。
2018年頃までは、特に身分証など不要で会員登録出来たが、台湾の国民身分証番号が必要となった。台湾で暮らす外国人から多くの苦情があったため、2019年12月24日から外国人の身分証明書「外僑居留証」(ARC)での登録も可となった。
上記はあくまで在留外国人向けの施策。2020年1月時点で、外国人旅行者は会員登録出来ないようだ。
だからといって乗らないのはもったいない。旅行中にせいぜい数回なら今回説明する都度レンタル(Single Rental)で問題ない。
台湾も日本同様急激にキャッシュレスが普及しており、この記事を見ているタイミングによっては新たな決済手段や登録方法が出来ている可能性がある点注意してほしい。
また、必須では無いがネットが使えないとレンタルする・返却するステーションが分からないため、是非日本から台湾で使えるプリペイドSIMカードを買っていこう。
Ubikeとは
Ubike/YouBike/ユーバイクとは、台北市が提供するシェアサイクルだ。
ロゴはUをニコちゃんマークの口にした「Übike」のようなデザインだが公式サイトを見るとどうも文字では「YouBike」と表記するようだ。
サービス地域は台北市を超えて広がっている。
最近は日本でも各地でシェアサイクルが出てきており、特に東京ではドコモの赤い自転車が至るところにあり、利用した事があるなら馴染みあるサービスだろう。
Ubikeも負けないくらいというか台北のほうが多いなと感じるくらいどこでも乗り場を見つける事が出来る。
YouBike Service Hours
Except during special holidays, large events, typhoons or special circumstances, this system offers a 24-hour unmanned automated service. Besides, you can also get customer support at the Service Center, which opens from 10:00 to 20:00 every day.
Ubikeは基本24時間いつでも乗れる。
スペシャルホリデーや大きなイベント、台風等を除く。とあるが、2019年12月31日は普通に使えた。(まぁ台湾人は旧正月を祝うから1月後半~2月上旬が使えないかもしれない)
東京ほど電車でどこでも行けるわけではないので(それでも世界トップクラスだと思う。もうすぐMRT(地下鉄)の環状線も出来る)ラストワンマイルの移動にUbikeは最適なのだ。
上記は台北のMTRの一部。東京とまではいかないが、大阪市営地下鉄並の充実ぶり。
台北市街地は道路が広く勾配もないため自転車でどこでもいける。機内持ち込みギリギリのリュックを背負って地下鉄に乗るのは結構しんどい。使い分け出来るのも魅力だ。
料金
料金だが、10台湾ドル/30分。
4時間以上、8時間以上で変わったりするがそこまで長時間借りる事はなかなかないだろうからだいたい30分で40円と覚えておこう。
※参考までに、東京のシェアサイクルは30分160円くらい。台湾のシェアサイクルはかなり安いのがご理解いただけるだろう。
借り方
では、実際に借りてみよう。
必須ではないが、アプリがあると乗降場であるKIOSKの場所と自転車残数がわかって便利なので落としておこう。
借りられる
- 緑:Operational(営業中=自転車あり)
- 赤:No Vacancy(返却空き無し=自転車あり)
借りられない
- オレンジ色:Out of Vehicles=自転車無し
- 灰色=Operation Suspended=営業見合わせ中
まずはキオスク端末を見つけよう。
広大な土地に多くの自転車を置いているが、キオスクは1台というケースもある。
自転車はあるけど・・・?(右を向く)
あれかい!(赤丸)みたいなのもたまーにある。
この灰色のがKiosk(自動服務機)
なんとなく分かるが英語の方が分かるので、左下のEnglishをタップ
BIKE RENTINGをタップ
今後よく使うならメンバー登録する事をおすすめするよ。と言われる。
メンバーになるには、台湾の携帯電話番号と悠遊カードもしくはiPASSカードが必要となる。
台湾のプリペイドSIMが電話番号付きなら登録出来るかもしれないが別途台湾のIDが必要との情報もあり、そもそも私のプリペイドSIMはデータオンリーだったため面倒だが都度Single rentalするしかなさそう。
というわけでSingle rentalをタップ。
諦めが悪く、台湾の電話番号と悠遊カード、iPassあるならメンバーになった方がいいよ。台北市内は最初の30分が5台湾ドルになるよ。と言われるが、台湾の電話番号ないんだもん。Confirm singlie rentalをタップ。
メンバーになった場合の料金説明等があるので、下までいって、I have read and agree above service termsにチェックを入れ、Agreeをタップしよう。
あなたの選んだシングルレンタルの場合、10台湾ドル/30分毎 です。VISA、Mastercard、JCB、銀聯のクレジットカードが利用可能です。
1枚のクレジットカードで1回に借りられるのは1台までです。
デポジットとして2,000台湾ドル(約8000円)をあなたのカードから請求します。自転車の返却が問題なく行われた場合、デポジット課金分はキャンセルされ、レンタルフィーのみ課金されます。
と、出るのでPay by credit cardをタップ。
クレジットカード番号と有効期限と、カード裏面の3ケタのCVCコード、そして、ランダムに表示される数字の入力を求められる。
まさかのクレカ スワイプやIC読み取りでなく、打ち込み方式!めんどい!!が仕方ない。ちなみに借りるたびに必要。
決済が成功すると「Payment completed」と表示される。カード番号等に間違いがあれば、入力画面に戻されるだろう。
レンタル方法についてのレクチャーがある。
この端末で、借りたい自転車を選ぶと、自転車のタイヤを固定している機械のランプが緑色に光るので後ろに引いて取り出してください。
との事。
続いて返却時の説明。ここに書かれている事は「返し方」で説明する。
自転車のナンバーを選んでください。
とあるので、近くにある自転車を見てみよう。
なお、サドルの高さ変更を行おうとすると手が油のようなもので汚れるので最初から自分にあった高さの自転車を選んだ方が良い。
01-2が近くにあったのでタップ。すると、赤丸部分が緑色になった。ロックが外れたので後ろに引こう。これでレンタル完了。
乗り方
私が乗ったのは電動ではない普通の自転車っぽいが、台北市街地の道はきちんと舗装されており、自転車レーンも多く歩行者道路が広く取られている事が多く、坂も少ないためスイスイいける。
法律は分からないが、実運用として自転車レーンが無いところでは実運用として車道を自転車で走ってる人はあまりおらず、基本的に歩道を走る事が多いようだ。
なお、台北は基本的に右側通行(日本とは逆)だ。車以外そこまで厳重に守られているわけではないが、無用なトラブルを避けるためにもすれ違う際など「右」を意識した方が良い。
前カゴにチェーンが入っていて一時的に停める事が可能だ。
しかし、路駐の取り締まりや、誰かが盗まれたり、チェーンがサビ等で取れなくなる等のトラブルがあると大変面倒な事になるので目の届く範囲に停めてドリンクを買うくらいなら良いが、トイレに行きたいとか、建物に入るのなら近くのKioskで返却する事をおすすめする。
返し方
目的地近隣のKioskで返却しよう。
全てのドックが埋まっていると返せない。アプリの地図で返却可能かを確認した上で向かおう。
返却できる
- 緑:Operational営業中=返却枠もあり
- オレンジ色:Out of Vehicles=自転車無いけど返却可能
返却できない
- 灰色=Operation Suspended=営業見合わせ中
- 赤:No Vacancy=返却空き無し
常にスタッフが巡回して、自転車が多すぎるところは回収しているため返却出来ない赤表示はほぼ無い。灰色だけ気をつけていればまぁ大丈夫だろう。
↑駅前等返却自転車が多い場所には一時退避用スペースがあり、スタッフが定期的に移動させているため返却出来なくて困る事は滅多にない。
さて、返却にKiosk端末は使わない。
このように空いているドックに近づき
カゴ下の左右についている金属片をドックに入れる。
奥まで入れる。
ちなみに右側にあるドックが赤色になっているのが見えるだろうか?
これはエラーでちゃんと入っていないため、一度引いて入れ直そう。
このまま置いておくと返却していない事になり料金がかさむ上、誰かが乗っていってしまうと大変まずい事になる。
クレジットカード情報しか登録しておらず、メールやアプリに返却完了通知はもらえないため、確実に返却出来ている事を十二分に確認した方が良い。
Return bicycleが青になった。改めて自転車を引いてみて、ロックがかかって動かなければ返却完了だ。
デポジットの行方
さて、気になるのがDepositとして取られた2,000台湾ドルだ。
メールアドレスや電話番号の登録をしないSingle Rentalでは、YouBike側からユーザーへ連絡するすべはなく返却通知等も無いのでよくわからず不安になる。
私は利用時にメールの来るエポスカードを使ったため上記のように2,000NTドル課金されているのが分かる。
オフィシャルでの説明は以下。
Usage fee rate for Single Rental users
if you use a credit card to rent a bike, the YouBike system will pre-authorize 2000 NTD from your account. If the user complies with the YouBike service terms and conditions, the system will automatically cancel such pre-authorization on the expiry date and will request the bank to make payments based on actual usage fees. The user can check the credit card statement for records of such transaction at the end of each month. If you have any questions, you can call 1999 or 02-89785511 to get customer support.
要約すると
クレカから2,000NTDチャージするが利用規約に従い、問題なく返却されればチャージを取り消し、実際のフィーのみ請求します。
月の終わりにクレジットカードの利用履歴で確認出来ます。何か質問があれば、1999もしくは02-89785511のカスタマーサポートに問い合わせください。
で、1月10日にエポスカードの支払額予定照会で確認したところ、2月27日引き落とし予定として以下のみ載っていた。
利用10日後にチェックしてすでに請求キャンセルされている事から実際に引き落される事はなさそう。
以前はキャンセルまで2ヶ月ほどかかり、一度カード会社から引き落としがかかった上で返金されていたようだが今はそういった事もないようだ。
(しかしご利用場所が「YOUBICK」になってる。なんだよユービックって。。
事故にあったら?起こしたら?
安全運転を心がける事は当然の事だが、残念ながら事故は起きうる。
YouBikeは、料金に自賠責保険が含まれており、200万元(800万円弱)の保証が受けられる。と、あるがおそらくこれは会員登録しているユーザーのみ。
では自身で海外でも使える自転車保険に入らないといけないのだろうか?
保険は複雑に作られているので一概に大丈夫!と言えないのだが、基本的にはクレジットカードに付帯する海外旅行傷害保険で賄えるはずだ。
自分の怪我:傷害治療費用
自分が怪我をした場合は傷害治療費用が使える。
自分の携行品破損:携行品損害
自転車から転倒して自分の荷物を壊してしまった場合は携行品損害が使える。
相手の怪我:賠償費用
相手の怪我やそれによって相手の携行品が壊れたといった場合は賠償責任が使える。
例えば年会費永年無料なのに保険が手厚い事で有名なエポスカードだと、以下の保障が受けられる。
補償内容
保険の種類 | 保険金額 |
---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 最高500万円 |
傷害治療費用 | 200万円(1事故の限度額) |
疾病治療費用 | 270万円(1疾病の限度額) |
賠償責任(免責なし) | 2000万円(1事故の限度額) |
救援者費用 | 100万円(1旅行・保険期間中の限度額) |
携行品損害(免責3,000円) | 20万円(1旅行・保険期間中の限度額) |
※携行品損害は、1個・1組・1対あたり10万円限度。
他にもメリットの多いカード。特にVISAカードとして至るところで使っていればインビテーション(招待状)がきて、永年無料でゴールドカードにアップグレード可能。
「マルイのカードでしょ?マルイ行かないよ」って人結構いるが、私だってもう何年もマルイで服を買っていない。
溜まったポイントはANA JALマイルやAmazonギフト券、dポイント等様々なものに交換出来るので人生で一度もマルイに行かなかったとしてもエポスカードは使える。
旅行好きの定番カードなので絶対作っておこう。
Amazonプライムに入っている人なら、実質年会費がマイナスになるAmazon MasterCardゴールドもおすすめ。
何故なら年会費1万円の三井住友ゴールドカード同様の海外旅行保険が付帯するからだ。
クレジットカードの海外旅行保険は死亡保障以外は全て合算可能。
先日、世界仰天ニュースで渡航先で肺炎にかかり、450万請求され両親の家を売って支払った人の話が放送されたが、こちらも疾病治療費用が合算して450万円以上あるカードを持っていればこんな事にはならなかったのだ。
自動付帯の旅行保険付きカードを複数枚持っている事が命はもちろん、その後の生活に大きな安心を与える事は間違いない。
最後に
デポジット取られるのが不安になるが、きちんと返却していれば数日で請求を取り消されるためそれほど気にしなくていいだろう。
しかしクレジットカード情報を毎回入れるのは慣れれば3分かからないとは言え面倒。
でも、移動は本当に便利。
例えば、上記地図真ん中にある台北の有名な観光地、迪化街(ディーホアジェ)。
駅から歩いていけなくもないがどの駅からもちょっと遠いのだ。
こういうところにシェアサイクルで行くと楽。また、台北の地下鉄は乗るまでが時間かかるので気候が良ければホテルから自転車で街を見ながら出かけるのも楽しい。
とはいえ台湾はあくまで外国だ。無用なトラブルに巻き込まれないよう普段より気をつけて使ってほしい。
シェアサイクル使うなら日本で格安のSIMカードを買っていこう。
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