古い話だが、iPhone7でSuica対応してむちゃくちゃ嬉しかったのと同時に、カメラとスクリーンショットのシャッター音がステレオで「ガシャ!」っと爆音で鳴る事にショックを受けた。
元々この記事を最初に書いたのがそのiPhone7の爆音にショックを受けた2016年11月。2021年11月現在も更新しているのだが当時より状況はマシになった。
iPhone6sより前はモノラルスピーカーで結構うるさいものの指で底面スピーカーを塞ぎながら撮影すれば許容範囲のシャッター音だった。
しかし、大音量ステレオスピーカーを搭載したiPhone7の初期iOS10が特にひどくて耳に突き刺さる爆音。
当時からブロガーだった私は多分ほかの人の数倍写真もスクショも取るのでシャッター音の消音化とすべての音と引き換えに物理的にスピーカー潰そうかと思ったくらいだった。
その後アップデートでスクリーンショット音はマナーモードにすれば鳴らなくなり、Live Photosにするとポンって音で済むようになったんだけどポートレートモードを使うと結局結構な音が鳴っちゃう。
子供が産まれてポートレートモード多様するようになったので一時はまぁ日本版でもLiveフォトなら気にならないしいいかと思っていたがまた気持ち再燃。
実はiPhoneをマナーモードにしてもシャッター音が強制爆音で鳴るのは日本、韓国、そしてカンボジアの3ヶ国(諸説あり)であり、その他100を超える地域で販売されているiPhoneはマナーモードにすると無音になるし、しなくても設定している音量に合わせて鳴る。多分日本のiPhone(iOS10.0)は出せる音の上限で鳴っていてiOS11くらいで耳に突き刺さるほどの音ではなくなった。
機種の固有さも大きく、例えばiOS15.1のiPhone Xsのシャッター音はかなりうるさいが、iPhone12miniだとそこまででもない。
また、機種にもよるがAndroidはPhoneほどシャッター音がうるさくないのと無音化アプリとかiPhoneよりカスタマイズ性が高いがゆえ対策出来たけど、なんと2021年になり、Android11では無音化アプリが有効化出来ない仕様となった。
もういい加減世界標準にしろよと思ってたらまさか日本でのシャッター音を守るため?みたいな改悪入れてきた。
今日は、iPhoneを中心にシャッター爆音問題と戦ってきた歴史を紹介したいと思う。
全員不幸なシャッター音
国内では携帯電話のカメラはシャッター音がなるもの。と広く認識されているので観光地でカシャカシャ聞こえるのは当たり前の光景だが、それでもマナーが悪いと思う。
デジカメなら音を消す事が出来るが、今やスマホの方がコンパクトデジカメより断然画質が良く、電波さえあればすぐにSNSにアップ出来るのだ。わざわざ荷物増やしたくないと考える人も多いだろう。
つまり、写真を撮っても良い場所で写真を撮っているだけで極力まわりに迷惑かけたくないと考えていてもあの忌々しい爆音でシャッター音が鳴るのだ。
まわりもむかつくし、自分だって鳴らしたくて鳴らしてんじゃねぇよってムカついている人とシャッター音が消せない事にムカついたりする。
シャッター音のせいで特に男性は、電車で乗換案内の結果や訪問先の地図のスクリーンショット撮りたいのに盗撮疑惑をかけられないか、そこまで思わなくとも音が鳴る事自体に躊躇して諦めた経験は無いだろうか。(iOS10以降ようやくスクリーンショットは消音可能となった)
意外と存在するシャッター音推進派(アンチカメラ派)
携帯電話にカメラがついて20年、これまでにシャッター音の消音運動が起こってもおかしくないと思うのだが、そういった話を聞かないのはアメリカのように自由を侵害された事に対する訴訟を起こす風土がない事と、日本人に元々”アンチカメラ”が多いという事が考えられる。
戦後の欧米から見た日本人のステレオタイプのイメージで首からカメラをぶら下げているというのがある。
世界的に有名なカメラメーカーの多くは日本だ。CANON、NIKON、OLYMPUS、富士フィルム、SONY・・・etc
しかし、”写真を撮られる事を嫌がる人”が多いのもかつての日本の特徴といえる。
今でこそ日本でも”自撮り”が当たり前になっているが、ネット上に顔を晒すなど2010年頃まで考えられなかった。だからmixiに実際の顔を登録する者はいなかったし、たまにいるとナルシスト扱いされた。
しかし産まれた時からカメラ付き携帯が存在し、赤ちゃんの時から親にパシャパシャ撮影されてきたデジタルネイティブは自撮りが当たり前。
また所謂”陽キャ”や”YouTuber”が目立っているためカメラは必須!なんならスタビライザーやGoProも欲しい!という風潮があるし、私もブロガーなのでむちゃくちゃスマホで撮影する一方で現在でも写真嫌いが存在する。
旅行で自然な姿を撮ろうとカメラを向けると顔をそむけて手で遮ったりするタイプだ。そういう”残したくないタイプ”は実は少なくなく、「シャッター音消して盗撮でもすんの?w」みたいな意見は未だあるのがシャッター音の自主規制が続く原因の一つでもあるのではないだろうか。
また、そもそも爆音でもまわりを気にせずバンバン撮影出来るタイプもそれなりにいる。
特に人はグループでいると気が大きくなるので、ファストフード店で学生が意味なく連射で友人を撮影して笑っていたり、落ち着いたオープンテラスのカフェで犬を抱えて何度も角度を変えながらシャッター音を出して撮影している人もいる。
写メールと共に生まれたシャッター音の自主規制
ところで携帯電話のシャッター音はどのように生まれたのだろうか?
1999年9月、世界初のカメラ付き携帯電話(PHS)である京セラのVP-210がDDIポケットから発売された。
11万画素のカメラはディスプレイ側に付けられ、現在のようなデジカメの代わりというよりテレビ電話需要だった。
と、よく言われているが、実はその5ヶ月前の99年4月にTu-Kaから三菱電機のTHZ43キアロに繋ぐラポッシェという外部カメラを繋ぐ方式をリリース。その年のグッドデザイン賞を受賞している。
まぁでもこれは”カメラ内蔵”では無いのでカメラ付き携帯の歴史からも忘れ去られている。
携帯ですらないが、似たようなものとしてゲームボーイのポケットカメラが98年にリリースされているし。
その1年後の2000年11月に、今のカメラ付き携帯の元祖となるシャープのJ-SH04が発売。
この発売直前に芸能人(先日、覚醒剤で何回目かの逮捕された方)が盗撮で逮捕された事を受け、当時Jフォンで写メールの企画をしていた高尾慶二氏がイメージを悪くしないようシャッター音を消せない仕様にした。
この当時カメラ機能はプリクラ需要のある中高生や一部の物好きなユーザーにおもちゃ的にウケると思ったものの、まさか世界の携帯電話の標準機能になるとは思ってもいなかった。
そもそもJ Phoneはプラチナバンドを持っておらず、電波で選ぶならドコモ、デジタルツーカーだった。
元々製造元のSHARPは最初にシェアNo1でi-mode等最先端サービスをリリースしていたドコモにカメラ付き携帯販売を打診したがデジカメですらまだそこまで売れていない時代。断られたようだ。
確かにJ-SH04はさほど売れなかったのだが、その後継機種のJ-SH07が、Java対応、折りたたみ、6万5536色表示可能なTFT液晶、16和音着信メロディ。そして10万画素のモバイルカメラ搭載と当時の最高スペック携帯をリリースすると当時人気絶頂のプリクラライクな機能が携帯で出来ると学生やOL中心に人気が高まり、カメラ付き携帯は出さないと明言したドコモ等から乗り換えが多発した。
もはや、カメラがついていない携帯電話は売れなくなった。
ここで、J-Phone、そしてシャープ以外のキャリア、メーカーがこぞってカメラを付ける事になるのだが、過去発売のカメラ付き携帯がシャッター音を鳴らす仕様にしているのだから前例を踏襲するという極めて日本らしい選択を全ての企業がとった。
これにより、以降FOMAの時代には130万画素、200万画素と高画素化しそろそろ一般人のスナップ程度ならデジカメ代わりに使える画質になってきたが、デジカメは消音出来るのに携帯電話は今までのまま。むしろ、高音質にこだわって大型スピーカーが搭載され、シャッター音は最大音量固定で鳴らすため爆音になっていく。
そして、日本人は「携帯のカメラ=シャッター音が鳴るもの」「シャッター音を消したいなんてやましいに決まっている」という認識が一般化した。
世界共通モデルが一般化するスマホも例外なく。
海外の人はシャッター音が消せないとか知らないから(解決)
まぁでも国内は100歩譲ろう。
カメラ付き携帯が世に出て20年。LCCも登場し、気軽に海外に行けるようになったし日本も観光立国化して訪日外国人数は年々増加している。(コロナ前までね。)
日本の携帯電話はシャッター音が消せないなんて海外の人が知るわけなく、というかシャッター音が消せないという不便な仕様があるなんて想像がつかない。海外の観光地で顰蹙を買う。
私も過去「シャッター音をミュートしてくれないか?」と注意された事がある。謝った上で説明したら驚いて「じゃあ仕方がないな」となったが、どれだけの日本人が海外で英語もしくは現地語でその説明が出来るだろう?
そもそも何を言われているのかも分からないかもしれない。そうなると最悪暴力事件に発展してもおかしくない。
バズフィードが2016年の記事でアンケートを取っているのを見つけたので貼っておこう。
と、書いて5年経った2021年9月、iOS15の日本版iPhoneを海外で使うとシャッター音が鳴らない(消音時)という情報が出てきた。
これに関連したiOS15のバグ?による無音化話は後述する。
爆音問題と戦う人々
盗撮防止というのはわからなくもないが、デジカメなら元々音を消せるし、Amazonを覗けば以下のような腕時計型やキーホルダー型のスパイカメラなんかも簡単に手に入るので普通の人からするとただただ不便を被っている。
そのため、iPhoneのシャッター音がうるさすぎて「iPhone シャッター 消し方」等で検索した事はないだろうか?
そこで解決方法として紹介されるのは以下の4つだ。
無音カメラアプリ
一番敷居が低い方法として紹介されるのが無音カメラアプリだ。特に人気が高いのがonecamという老舗アプリでアップデートが多く信頼されている。
最近紹介されだしたのはMicrosoftがリリースしたPixだ。
(2019年追記:Android版は無くなった模様。2020年初頭にiPhone版もなくなったが、2020年後半に最新OS対応して改めてリリースされた)
無音カメラの仕組みは、iOS上では動画を撮影している体にして、動画から切り出した静止画を保存する事で無音化している(と思われる)。
なので動画の解像度が最大上限となるのだが最近は4K撮影も可能となったので問題ないが、やはり写真ではないのでバッテリーの減りが早かったりブレに弱かったりとデメリットも多い。
また、純正カメラアプリのようにロック画面からアクセス出来ないので素早く撮影するのに向いていない。
ただしiOS14から使えるようになったショートカット機能を使う事で、純正カメラを立ち上げる事をフックに自動的にPixを立ち上げるようにすればロック画面からであっても利用可能だ。
一回試したがどうしても2つのアプリが立ち上がるためワンテンポ遅れるし私はLivePhotoの方が好みなのでやめた。
さらには結局スクリーンショットは爆音になるのは変わらない。(※2016年の話。2019年時点でスクリーンショットはマナーモード時に無音化された)
バグ
特にiOSのメジャーアップデート直後は、よくバグによる無音化が発見される。
しかし、まずミュージックアプリを強制終了させ、カメラを立ち上げ、撮影せずにミュージックアプリを立ち上げ、音量を0にしてからカメラに戻って撮影すると最初の1枚だけ無音になる。みたいな理論上できるけど面倒でやらないだろうというものばかりで実用性が低いのも多いが。。。
iOS10.0.0~10.0.3までのバグは有用
今までのバグは理論上出来るってのをブログで発表し、せいぜい飲みのネタで使うくらいだったが、iOS10.0.0~10.0.3(つまり、iOS10.1以前のiOS10)で使えたバグは現実的だ。
まずはiPhoneの設定>一般>情報 で「バージョン」を確認してみよう。
「10.0.X」(Xは0~3が入る)であれば以下の技が使える。
これが使えると感じた理由だが、トリプルクリックでAssistive Touch(画面上にボタンを配置する)の表示・非表示が出来る点だ。
正直Assistive Touchはずっと出てるとウザい。しかしトリプルクリックで消せるからそこまで問題ない。
観光地とかでさぁこれからいっぱい写真撮るぞ!ってシーンや静かな職場でeight用に名刺撮影する時とかに消せるのが嬉しい。(その後eightは無音化された)
デメリットとしては、Assistive Touchで消音したままだと、Bluetooth接続したイヤフォンからミュージックを流すといった事も出来なくなるが音量ボタンを押せば音が鳴るようになる。
また、今確認したところ「アラーム」は消音状態でもマナーモードと同じく鳴る。
(平日の朝固定で目覚まし代わりに使ってるので鳴らないとやばい)
バグ?iOS15の圏外で無音化
iOS15の日本版iPhoneを海外で使うとシャッター音が鳴らない(消音時)ようになったのだが、
その機能のバグなのか日本でも”国内キャリアすべて”圏外の場所だと鳴らないらしい。ただし、機内モードによる圏外やSIM抜き、日本国内で海外SIMを刺した場合は鳴るとの事。
うち、楽天モバイルが圏外なのでiOS15の日本版iPhoneXsでシャッター音無音化されるか試したけど普通に鳴るぞ pic.twitter.com/OHWydOJnLw
— KeisukeN(好きな料理:タダ飯) (@kk2co) September 28, 2021
楽天モバイル圏外で楽天モバイル刺して実験してみたけど思いっきり音なったわ・・・。
上記Tweetの返信に、2G(GSM)のみにする事で鳴らなくなる裏技が書かれているので良かったら覗いて(&フォローして)ほしい。
GPSで判断しているとすると圏外で鳴るのもおかしな話だけど、圏外なんて可愛そうだから消音化してあげますね~って事?
なお、ロケーション偽装しても音が鳴ったとの事だ。
ジェイルブレイク(脱獄)
iPhoneはAndroidと比べOSレベルでの制限が多いのだが、元はUNIXというオープンソースOSがベースなので制限を取り払えれば出来る事が一気に広がる。
色々制限されている状況を刑務所・牢獄に例え、その制限を取り払う事をジェイルブレイク(脱獄)と言うようになった。
自由になるというのはプロテクターを外す事なのでウイルス感染リスクが増えたり、何かあった際Appleのサポートが受けられなくなる、iOSのバージョンアップが出来なくなるといったリスクを背負う事になる。
リスクを背負ってまで多くの人が求めてたのは今回の目的であるシャッター音を消す事の他、設定画面を辿らなくともどこからでもWi-FiのOn Offが出来るショートカット機能だった。
iPhone5くらいまでは 「え、あんまりIT詳しそうにないのに脱獄してんの?」 という人に出会うくらい流行っていたが、iOS7で登場したコントロールセンターによって純正で対応されたためシャッター音を残して解決してしまった。
ブログを中心にスピーカーを指でおさえながら撮影するテクニックや冒頭の消音カメラアプリなんかが紹介されだすとジェイルブレイクのメリットがデメリットをうわまわったのか今やテック系オタクが好奇心を満たすくらいでしか使われなくなった。
しかしカメラの消音化と、カレンダーアプリからのリンクがAppleのMapになる設定が変えられるのであればやりたい。
なんかこう考えるとiPhone使ってる意味あんのかな?って思うがハードはApple、ソフトはGoogleが好きなので仕方がない。
海外版iPhone
ジェイルブレイクが下火になった頃に出てきたのが海外版iPhoneを手に入れて日本で使う事だ。
実は最初はシャッター音を消すためではなく、iPhoneをドコモ回線で使いたい人達が切り開いてきた。
というのも、2013年iPhone5sが出るまで、日本で対応しているキャリアはソフトバンクとauしかなかった。
ソフトバンクは孫さんの直談判により2008年iPhone3G(3GSじゃないよ)から日本でiPhoneを独占販売してきたが2012年に900Mhz(プラチナバンド)を手に入れて実際に運用されるまでは非常に電波が悪かった。
そのため2011年iPhone4sでauが国内2番手のキャリアとして登場すると発表された時には心躍ったファンも多かった。
しかし蓋を開けてみると、そもそもauの持っている電波は当時のiPhoneにほとんど対応しておらず、さらに上がりと下りの電波を国際的に一般的なものとは逆に使っていた経緯もありものすごく大掛かりな改修工事をする必要があった。
あげくiPhone5では丸問題と言われる低速回線を掴んで離さないバグにより実運用に耐えられないくらいの不便さをユーザーに課す事となった。
そのため、新iPhoneが発表されるたびに、iPhone自体の機能もさることながら、今度こそドコモが対応するのではないか!と期待していた。
結局2013年のiPhone5sでドコモが対応する事になるのだが、それを待てずにドコモ回線でiPhoneを使う強者が現れた。海外版iPhoneを使って。
ドコモとソフトバンクはW-CDMAという共通の通信方式を採用している事からハードウェアレベルでは両社から出ている端末を相互にネットワークを使う事が出来る。
しかし、日本では長らく携帯はタダ同然で配って月額料金で回収するビジネスモデルが続いている事から端末を持って他社に行く事は許されなかった。(それをSIMロックという)
そこで、SIMロックされていない海外のiPhoneを手にいれ、iPhone4SならFOMA契約、iPhone5ならXi契約しているドコモSIMを刺す事で使えるようにしたのだ。
もっとも、プロファイルが存在しないのでドコモメールが使えなかったりそもそもうまく繋がらなくても誰からもサポート受けられない状態だったのだが。
海外通販や出張時等に国外でiPhoneを手に入れた日本人。そこでカメラで撮影するとシャッター音が鳴らない事に気づきはじめる。海外のiPhoneはシャッター音が消せるのか!!!と。
今や3大キャリアでiPhoneは売ってるし、iPhoneの対応周波数も日本のそれに寄せてるし、ソフトバンクはプラチナバンドを手に入れたし、auも改修終わったし安定した。格安SIMを使いたければSIMフリーiPhoneをApple Storeで購入出来る。
しかし、未だ海外、特に香港版iPhoneの記事は多い。iPhoneはどうしても使いたいけどシャッター音はどうしても許せない人が多いのだ。
昔はみんな個人輸入や海外出張時等で苦労して手に入れていたが最近は秋葉原等に店舗を構え、オンライン販売も行っているイオシス等で海外版を普通に手に入れる事が出来る。
コロナ禍で海外に行く事が難しい今、イオシスでは香港版のiPhone13シリーズ取り扱いを開始したぞ。
最後に
カメラ付き携帯が出て16年経った今、私はいい加減シャッター音が消せない、消せないにしてもあの爆音はやめたほうがいいと思っている。無音カメラアプリがあり、スパイカメラがあり、元々音の消せるデジカメがある中、本当に消せないメリットはデメリットを上回っているのか疑問だからだ。
しかし、iPhoneに関して言うとスピーカーの大型化により、iPhone5よりiPhone6が明らかに大きくなり、iPhone7では爆音かつステレオ化されてしまった。
そもそも法律上、カメラ付き携帯のシャッター音は必須というのは無いはずだ。
カメラ付き携帯発売前夜、まさかほぼすべての携帯にカメラが付くなんて思ってもみなかった時代に、新しいものを作って犯罪に使われて何も対策してませんでしただとキャリアやメーカーが責任に問われる。だからとりあえずシャッター音として最大音量で鳴るようにしよう。これが始まりで、後は右へ倣えで自主規制していった。
迷惑防止条例違反になるとの記事を見た事があるが、それは隠し撮りに対してであって、音が出ようが出まいが関係ないはずだ。(明確に書かれているものが見つからないのとおそらく判例が無い事からそもそも決まっていない)
総務省が2004年にまとめたユビキタスネット社会の影の部分への対応策一覧にて書かれているのは、プライバシーの保護の中で撮影ルールの不在としてカメラ付き携帯を上げており、携帯電話各社の対応としてシャッター音を消したり小さく出来ないように対策している。韓国では義務付けしていると書かれているがこれ以降の話は聞かない。
英文記事にはなるが、The Japan Timesが2013年にGoogle Glassの発売においてシャッター音が足かせになる事を書いており、NTTドコモへ取材しており法的根拠が無い事も記載している。
This was not something that was required by law, but it was taken up voluntarily by all Japanese cellphone vendors.
(これ(シャッター音)は法律で義務付けられたものではありませんでしたが、全ての日本の携帯電話ベンダーは自発的に採用しました。)
世の中自分に関係の無い、直接損しない事は規制しても良いと考える人は多い。
今回で言うと写真をほとんど撮らない人や、撮られるのが嫌いな人、シャッター音は鳴るものだからと爆音でも気にしない人からすると「鳴ったらいいじゃん。盗撮したいの?犯罪助長だよ。」と言い出す。
ちなみにシャッター音消音否定派は40代に多い印象を受けた。(50代以降とこの会話をした事がない)。彼らの学生時代のカメラといえば写ルンです。カメラ付き携帯が一般化した時点ですでに学生ではなく、ネットに顔写真や個人情報を掲載するSNSに抵抗がある世代。
写真を取る文化が根付いていないせいもあるかもしれない。(向かいの30代の会社の同僚も「俺のスマホ3つもカメラついてるけど写真撮らないから別にいらないんだよね。」と言っているのが聞こえたので当たり前だが人によるが。)
本当にシャッター音が鳴る事で抑止力になっているのであれば仕方がない。
それであれば抜け道を許さず法整備すべきだと思う。
しかし、もしただ前例がそうなので余計なこと言って叩かれたくないから右へならえします。はおかしいと思う。
※2019年追記:Live Photoによるシャッター音の微音化。スクリーンショットの無音化。SIMロック解除の制度化。海外スマホが以前より簡単に手に入るようになるなどここ数年でかなり状況はかわった。が、Appleといった外資が実施したから出来た事で、これによって盗撮は増えただろうか?
もちろん、過去のニュースを漁れば「海外製スマホを使って無音で盗撮!」といった記事も見つかるかもしれない。しかし、それは世の中にあまたある犯罪の中の1手段に使われただけだ。
車が人をはねたからといって車を規制する話にならないよう、スマホのカメラにも罪はないはずだ。
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