SIMフリールーター、NEC Aterm MR05LNは様々な回線(バンド)に対応するため元々海外旅行用に買ったのだが実はこれ、あんまり海外の回線に最適化されていない製品だった。
では使えないかというと、国によるので一概に言えないが使える事が多い。おそらく人の集まる観光地なら問題ないが対応バンドの少なさから電波を拾えないシーンが出てくるかもしれない。どういう事かは後述する。
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SIMフリールーターとは
格安SIMの台頭からか、SIMフリールーターが売れているようだ。
SIMフリールーターとはようするにスマホに入れるSIMをルーター(ポケットWiFiとか言われる)にセットする事でスマホ1台だけでなくそのネットワークに接続した複数の機器をネットに繋ぐ事の出来る機器だ。
しかし、iPad miniですら持ち運ぶのが億劫かつ、持ち運んでもiPhoneで事足りるため、ノマドワーカー以外でルーターが必要な人等いるのか疑問であるがとにかく売れているようである。
「ポケットWiFi」という名前は聞いた事あるのではないだろうか。Y!モバイルの前身、イーモバイルのルーターだ。
これはイーモバイル回線でしか使えないようSIMロックが掛かっているが、そのロックがかかっていないものがSIMフリールーターである。
その売れているSIMフリールーターでも人気なのがNECのAterm MR0●LNシリーズであり、その最新版がMR05LNである。
Aterm MR05LNとは
Aterm MR05LNはSIMフリールーターの一つであり、大人気となったMR04LNの後継機種で、MR04LNの不満点であった、いくつかの点が解消されている。
- LTE Advanced対応による高速化
- SIMの切り替え高速化
- micro-SIMからnano-SIMに変更
- バッテリー微増
- バッテリー分筐体が巨大化
- HSPA+, GPRSに非対応化
1~4がメリットで5~6がデメリットなのだが、
1は理論上速度が300Mbpsから375Mbpsになっただけであり、絶対それだけの速度出ない。外では安定して5Mbps出ていれば十分なのでどうでも良い。
2は2つSIMの入るスロットがあるのだが私には2つ入れる機会が思いつかないのでどうでも良い。
3は順当だ。スロットが今の主流であるnano-SIMサイズとなった。
SIMはアダプタをかます事で大きい側に対応出来るため、小さいに越したことはない。
SIMは切れば小さく出来るし(本当にハサミで切ればOK)、小さいSIMでもアダプタ付けるか、極論付けなくてもなんとかなる。
上記の写真は、micro SIM対応スマホのSIMスロットに、nanoSIMを置いたところ。
サイズが違うので使えなさそうだがスロットの右上の部分にSIMの右下の部分(お互い斜めにカットされている部分)をあわせてセロハンテープで固定すれば認識する。ずれて認識できなくなる可能性があるので長時間使う際はアダプタを使った方がいいが。
4と5はトレードオフで、バッテリー容量が増えたのでその分サイズが大きくなった。
04の時代でも10時間程度持つのでわざわざ筐体大きくしてまで容量増やさなくても流用すれば良いのにと思った。
結構致命的なのが6の「HSPA+, GPRS非対応」だ。
Aterm MR05LNは海外の周波数に弱い
簡単に言うと、海外のバンド・周波数に対応しなくなった。
各携帯キャリア、日本でいうドコモやau、アメリカのT-mobile、タイのAIS等世界中の国で世界共通のSIMを発行しており、周波数もある程度合わせている。携帯で使われるのは800MHz、1.8GHz、2GHzが多い。
電波は公共性の高さから勝手に使う事は出来ず各国の政府が決めるため、世界共通になっていない。
また、LTEやWCDMAといったその周波数へどういうプロセスでアクセスするのかを決める仕様も複数ある。
最近のスマホは販売国の電波だけでなく海外の電波も使えるように作る事が多い。
というかAppleやSamsung、ファーウェイ等スマホのシェアを握る企業は最初から世界中で同じ端末を売る事前提に作るのでなるべく多くの周波数に対応するのだ。
04では使えたのに、05で削られたのは以下。
- LTE Band 17
- HSPA+ Band 1, 8, 9
- HSPA Band 9
- WCDMA Band 9
- GSM 850
- EGSM 900
- DCS 1800
- PCS 1900
確かに国内ではあまり使われていない帯域・周波数なのだが、特に北米で使われているLTE Band17やGSM850に対応していないのは海外利用の上で痛い。
携帯キャリア各社は3つ4つのバンドに対応しているのでそのうちのいくつがが対応していない機種でも使えなくはないが、電波は安定しない。
というわけで特に北米においてはフルパフォーマンスで通信出来ないし、下手すると繋がらないという事を理解しておこう。
MR05LNを買った理由
基本が格安SIMを活用するための国内向けルーターであるMR05LNだが、私は海外旅行・出張用に買った。
理由はメジャーなメーカーからメジャーな流通を通して安定して販売されているのがMR05LNくらいしか無かったからだ。
また、何故かは分からないが、昨年の後半くらいから前機種のMR04LNや発売すぐのMR05LNが月に数回かなり安く売られる事があり、どちらかというと物欲で買った感が強い。
開封
私はAmazonで買った時は OCNのSIM付きの方が安かった。
これは開けてもいない。メルカリに出したら値段付くかな?
Apple製品が出ていこう、箱を開けたらいきなり製品がお目見えする形増えたけど、MR05LNでもその形式を取っている。
ただし、まわりにごちゃごちゃ書いているところが日本企業っぽい。
箱を開けると入っていたのは以下
・クレードル(クレードル付きモデルのため)
・バッテリー
・裏蓋
・MicroUSBケーブル
・USB-ACアダプタ
・LANケーブル
・説明書類
クレードル付きにしたがクレードルを使う予定が無いので袋に入ったまま。
後、マイクロUSBケーブル、USB-ACアダプタ、LANケーブルも不要なのでそのまま箱にしまっておいた。
※海外で使う場合。国内で使うならクレードルは便利。外出に持っていって、自宅に帰ったら充電兼宅内ルーターとしてクレードルが役立つ。
バッテリーを入れて閉じてみた。
鏡面仕立てで指紋や傷が付きやすそうというレビューもあったが、あまり気にならない。
大阪まで探しに行った雑誌の付録、0SIMを挿入してみる。
APNの設定を行う。
一応タッチパネルでテンキー入力出来るが結構押しミスが目立つ。
ってかアルファベットはフルキーボードで入力させてくれ!
SSIDが表示されるので、iPadminiで試してみる。
問題なくLTEで通信出来た。
最近はスマホのテザリングが有料だったり、格安SIMがマジで格安だったりするので、月末によく帯域制限受けてるなら1GB1000円で追加購入するよりこれ持っとくと良さげ。
また、アフターコロナでリモートワークが進むと思うが、自宅外で仕事する時にもルーターがあると便利だ。
まとめ
MR05LNは国内で使われる周波数の大半に対応しており、格安SIMを入れれば多くのケースでWiMAX等を契約するより安価に通信出来る。
最大10台まで同時接続出来るので一時的に友達に貸したりIoT製品を同時に使うといった時でも困る事はないだろう。
価格もセールでなくともかなりこなれてきているのでコスパは高い。
ただ、私は海外旅行時に現地のプリペイドSIMを入れて複数人で安価に通信環境を整えるために購入したので、前機種から削られた海外で使われている周波数の影響が気になるところだ。特に北米。
アメリカと同じ周波数を使うメキシコで使ってみた。
ここ数年急激に日本で海外のプリペイドSIMが安く買える状況になり、スマホのSIMロック解除も簡単に出来るようになったためスマホに海外SIM直接入れ替えて使っており利用する事はなくなった。
逆に、国内でスマホ以外に電波が欲しいシーンが増えたためAterm MR05LNはまた活用の道を見いだせそうだ。
安SIMは新規参入しすぎで、2017年くらいには「通信料無制限!月980円!」などと宣伝して、実際は4ヶ月目から4000円以上、36ヶ月以内の解約は違約金必要、3日で3GB以上使った場合は帯域制限をかける。といった物議を醸すようなサービスが出ていた。
玉石混淆でカオスな世界だった理由はドコモやauからの卸値が決まっている以上、他社より圧倒的に価格面でお得にする事は難しかったからだ。
しかし、卸値は年々下がり、楽天モバイルMNO参入などもあり消費者にとって美味しいキャンペーンが増えている。
一方で、格安SIMはランチタイム等で混雑して著しく速度が下がるといった事が聞かれる。アフターコロナで密を避けるための様々な分散施策でランチ時間もずらしていろんなピークが変わりそうだけど当面は上記にあげたようなメジャーどころでの契約をお勧めする。
2020年6月時点でのおすすめは断然楽天モバイルだ。
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