2020年4月から受付開始した1年間無料で使える楽天モバイルのRakuten UN-LIMIT。
なんなら端末も無料でむしろポイントまでもらえちゃうというケチな楽天にしては考えられないような大盤振る舞いだったため申し込んだ人の多くが1年間とりあえず使って無料期間が終わるタイミングで解約しようと考えた。
2020年末からドコモのahamoを筆頭に、ソフトバンクのSoftBank on LINE、auのpovoと、2980円、20GB(以降1Mbpsで通信可能)、通話5分無料というまさに「こういうのででいいんだよ」プランが出てきたため、
「もはや楽天は永久無料プラン出すしかないじゃん」と出せるわけないのは分かりつつ電波に不安のある楽天モバイルは携帯電話料金を下げさせたい総務省に利用された当て馬だったなと思った。
しかし、2021年1月29日、楽天は本当に無料のプランを出してきたのであった。
今回はこの新プランがメイン回線になりうるか、なりえないならどう活用すれば良いかを考えたい。

楽天の新プラン Rakuten UN-LIMIT VIとは
楽天モバイルがMNOとなり、Rakuten UN-LIMIT Vを出したのは2020年4月。
どれだけ通信しようが電話しようが月額2,980円。不安な電波は当面auの電波を借りる(ローミング)上、1年間無料。最低利用期間無し。
普通にお得だと思ってメインスマホの回線をMNPで楽天モバイルにした人もいるだろうが、大半の人が今のスマホ契約は継続したままとりあえず新規で1年使って無料期間が終わるタイミングで解約しようと思いながら申し込んだと思われる。
つまり、タダなら使ってやってもいいけど金払ってまでいらないという事だ。
実際私も1年で辞めるつもりで2020年6月に契約したが電話はかけ放題だし、コロナ禍でテレワークが進む中、集合住宅のネット回線が遅くなった時の緊急回線としても使える楽天モバイルはお守りとして持つのに最適だった。
その1年が来る前に自動移行されるプランがRakuten UN-LIMIT VIである。
20GB以上使うと今まで通り2980円だが、3GB~20GBまでなら1980円。1GB~3GBまでは980円。
そしてなんと1GB以下なら無料となるのだ。
これなら基本WiFi環境の自宅に置いておけば、無料電話として使え、大事な商談や面接なのに自宅のネットが激遅になった等の緊急時にはテザリングで高速通信可能な予備回線となる。
楽天の策略は
楽天モバイルリリース直後はあの楽天の事だからなんか裏があるに違いないと疑心暗鬼になる人もいたが、蓋を開けると本当に1年無料。
それも先着300万人という大盤振る舞い。なんなら本体も1円や数千円かかるけど1万ポイント以上還元した。
そもそも無料でなくとも2,980円で使い放題というのは2020年4月時点では(ちゃんと使えれば)かなり魅力的な価格設定であり数万人、もしかしたら数十万人は契約しただろう。
300万人が2,980円を支払ったとすると90億円/月の売上、年間にすると1000億円となる。
新規アンテナ設置はビルオーナーとの交渉が必要で営業マンやバックオフィスを多く整える必要がありかなりの初期投資がかかる中、無料決断はすごかった。
それでも無料にした理由はたくさんあるのだろうが想定出来るものを上げていく。
加入者数○万人を最速で突破のIR
特に日本人は”みんなが使ってる”というのが大好きだ。
だから自分の舌より食べログの星を信頼して店選びするし、iPhoneを持つ。
逆に新しく出てきたものを敬遠しがちだ。
なので後発である楽天モバイルは、たくさんCMを打たないといけないし、多くの人に使われている(=支持されている)というのを早く出す必要がある。
300万人突破の暁には 「ラクテンモバァイ~ル」の声と合わせてドンと大きく「300万人突破」と表示され米倉涼子さんが「300万人が使ってる楽天モバイル、まだ使ってないの?」と言い出すだろう。
コロナ禍は家計の見直しにピッタリ
今までいつかやろうと思っていたけどなかなか実行に移せなかった家計の見直し。
電力自由化、ガスの自由化、ネットのプロバイダ、そして携帯電話はコロナ禍で家にいる事が多くなった2020年に見直した人も多かったはずだ。
特に大手キャリアで月7000円くらい払って50GBプランを契約していた人は、自宅のWiFi中心となり、こんな大容量いらないと思うようになっただろう。
しかも大手で上限超えると128kbps。この速度だと何やるにも遅くイライラする。
一方の楽天は無制限の上、電波が弱いところではau回線が5GB使える上、超えても1Mbpsで通信可能。
iPhoneを取り扱いたい
楽天モバイルではiPhoneを販売していない。
これは大きなデメリットだ。
もちろんAndroidにも魅力的な機種はたくさんあるし、SIMフリーのiPhoneであれば現時点でも楽天モバイルの電波を使う事が出来る。
しかし、世の中一般の多くの人は”iPhoneはAppleStoreで買ってSIMだけ契約する”とか、”一旦違うスマホ買うけどそこからSIM取り出してiPhoneに入れる”とかという発想は無い。
長らく日本は回線(SIM)と端末をセットで販売してきたため、その2つを分離する事は思いつかないのだ。
なのでなんとしてもキャッチーであるiPhoneを売りたいのだがAppleから仕入れるにはそれなりの加入者数が必要なのだろう。それが300万人なのかもしれない。
ちなみにMVNO時代(docomoの電波を借りて格安SIMやってた時代)の楽天モバイルでは型落ちiPhoneの販売を行っていた。
現在もワイモバイルやUQモバイル、そしてビッグローブモバイルなんかがiPhone7やiPhoneSEを取り扱っているが最新モデルを売れない代わりに旧モデルの在庫処分先として条件緩和しているのかもしれない。
その契約を残したままだと最新iPhoneを取り扱えないため無料でSIMを配って耐えしのいでいるのではないかと思われる。
損益分岐点が700万回線
楽天曰く、1年無料で300万回線配っても、2020年時点で楽天モバイルの損益分岐点は700万回線らしい。
300万人も加入者がいればまわりに使っている人がいて「楽天モバイル快適だよ」といったフィードバックを受ければ通常契約する人が増えていくだろう。
その無料の300万人のうち一定数は意図してそのまま使い続けるし、無料期間は1年だという事をすっかり忘れて払い続けてくれるだろう。そもそもサブスクやフィットネスジム等月額料金制はそういう幽霊会員で成り立っている。
ドコモのユーザーが8000万人で、10分の1を取れれば達成出来る。数字上は無理とは言えなさそう。
なので並の会社だと耐えられないが楽天ほどの財力があればその苦しい期間の先に、打ち出の小槌を手に入れる事が出来るわけだ。
楽天の想定外は
そんな今の時代にマッチしたプランを鳴り物入りで発表した楽天モバイルであったが、色々と想定外があった。
auローミングを当初の2GBから5GBに拡大
楽天モバイルはUN-LIMITリリース時、auの電波を月2GBまで高速通信可能で、以降128kbpsとしていた。
しかしそれこそコロナの影響もあり楽天モバイルエリアを増やすのに苦戦していたため特に地方がほとんど入らない状況になってしまった。
もちろんそういうところでauの電波が活きるのだが、今どき2GBでは相当節約して使ってもバックグラウンド通信だけで上限を超えてしまうだろう。
「楽天モバイルは電波が悪い」 一度イメージがついてしまうと払拭まで相当時間がかかるのはプラチナバンドを取得した後も苦戦し続けたソフトバンクで経験済だ。
なので、サービス開始時には、au電波は5GBまで。以降も1Mbps通信可能と条件を大幅に緩和させた。
なお、楽天モバイルユーザーは意識せずにauの電波をローミング出来るが、1GBあたり約500円を楽天からauに支払っている。なので1回線あたりいっても1,000程度と考えていたローミング費用は最大2,500円まで膨らむ事となった。
大手キャリアがオンライン専用2980円プランを発表
楽天にとって寝耳に水だったのが、ドコモのahamo(アハモ)を筆頭に、KDDIがpovo(ポボ)、ソフトバンクがSoftbank on LINE(ソフトバンクオンライン)と大手キャリアが立て続けに発表した2,980円プランだろう。
楽天の無制限と比べ、20GBと制限があるものの頻繁にモバイル回線で動画でも見ていない限り20GBあれば十分という人は多い。しかも使い切っても1Mbpsで通信可能。
通話も5分以内ならかけ放題。友人・家族との電話はLINE通話になってる人ならせいぜいお店への問い合わせくらい。9割の電話が5分以内に終えられるだろう。
ちなみに私は色々あって未だソフトバンクのホワイトプラン(7GB契約)なのだが、コロナ前で25日頃になると通信制限を受ける事があった。なのでその時と同じ使い方ならおそらく10GBあればまぁ、15GBあれば確実に大丈夫だ。
同じ料金だったら楽天モバイルよりドコモの電波がいいと思うだろう。
auローミングは順次終了しており電波はよくない
さらに楽天が不利なのが、実はauの電波をローミング出来るエリアがどんどん狭まっているという事だ。
先に述べた通りauの電波はタダでは無い。ユーザーに代わって楽天がauに支払っている。
楽天の電波は一応入るけどちょっと怪しいエリアではauの電波に切り替わってしまうので我々が想定する以上にauへの支払いがあったのだろう。人口カバー率70%を超えたエリアは順次auのローミングが終了している。
つまり都市部ほどauの電波を掴めなくなってきているのだ。
70%ならまぁ自分が生活している範囲なら大丈夫だろうと思いそうだが、結構穴が多い。そもそも市役所が電波を受診出来ればそのエリアの人口分カバーした事とされる等結構ザルなのだ。
楽天モバイル回線使ってカフェ等でリモートワークしてた人はある日を境に電波が悪くなり仕事にならないというケースもあるだろう。
損益分岐点が遠ざかる
楽天は今のところ損益分岐点である「700万回線」の見直しをしていないが、遠のいたのは間違いなく誤算であろう。
まさか絶対大手が対抗出来ないと踏んだ2,980円の領域に1年経たず入ってこられたわけだ。
0円寝かせユーザーが出てくるため解約阻止にはなるが、1人あたりの収益悪化は免れず、想定の2倍、つまり1400万回線は確保しないと厳しいのではないだろうか。
楽天モバイルはメイン回線にしていいのか
さて、ここまでの流れを見てもらった上で、楽天モバイルをメインで使えるのかを回答すると
まだ無理だろう。
楽天モバイルは頑張っている。それは間違いない。2021年夏までには人口カバー率96%にするとも言っている。
おすすめ出来ない理由は楽天がプラチナバンドを持っていないから。
もっというと1.7GHz帯の40MHz幅しか持っていない、複数の周波数帯を組み合わせられない現状でメインで使うのは厳しいからだ。
どうしても電波は建物や山等に遮られる。周波数帯が高くなるほど直進性が強くなるので通信速度は速められるが電波干渉を受けやすい。さらに同じ周波数を違うアンテナから送ると干渉してしまう。
所謂プラチナバンドは速度と回り込むバランスが高く安定的なので、メインで使いつついろんな周波数を使って穴を作る事なく通信電波を送っている。
なお、楽天モバイルでも近々5Gも始まるが、与えられた周波数帯は3.7GHz帯と28GHz帯。3.7GHzは衛生通信とバッティングするので基地局に制限があり、28GHzは電波特性から局地的にしか使う事が出来ない。
ようするに、プラチナバンドと呼ばれる800MHz周辺が使えない以上、メイン回線にする事はオススメ出来ない。
だからソフトバンクは何年も提言しつづけ念願のプラチナバンドを手に入れた際は大々的にアピールした。
かつてauも日本独自仕様の通信プロトコルを使っていたせいでiPhone取り扱い初期は2.0GHzしか対応出来ずすこぶる評判が悪かった。
これをきっかけにグローバル仕様に合わせて通信上下を逆にする大工事を行ったくらいだ。
やはりプラチナバンドはプラチナなのだ。
それでも無料ならいいじゃん!と思うかもしれないが、1年後のミニマル月額が無料化されただけであり、メインで使うとなるとどれだけ節約しても3GBは超える。そうなると1,980円は確実にかかる事となる。
また、コロナの影響もあり急ピッチで様々な観点でオンライン化が進んでいる。
分かりやすいのはキャッシュレスだが、電波が無いと使えない。
最近は銀行ATMもスマホで引き出せるようになったがもちろん電波が必要。

今後マイナンバーや運転免許証等身分証明になりいつでもどこでもネットに繋がっている事が前提で社会が作られていく中で回線品質というのは非常にプライオリティが高いといえる。
どう活用するのがオススメか
とは言え楽天モバイルは月1GBまでならランニングコストがかからなくなったので解約するのは惜しい。
私だったらahamoのSIMを入れたiPhoneに、楽天LINKで楽天の電話番号使えるようにして楽天SIMはモバイルルーターに入れて自宅に置いておく。自宅のネットが使えなくなったり停電等の時に使えるバックアップ回線になるからだ。
楽天LINKは無制限で無料通話出来るので、役所やカード会社等の問い合わせで30分くらい保留音聞かされても大丈夫だ。(ahamoで30分連続通話すると5分以降20円/30秒で計1000円ほどかかる)
しかも留守電も付いてくる。携帯の留守電は聞くのにも通話料がかかる上、ほとんどが無言で切られるため外している人も多いと思うけどちょっと不安。
折り返してほしいような電話はむしろ楽天モバイルの番号を伝えると良いだろう。
楽天以外の回線で楽天LINK(楽天の電話番号)を使う方法は以下に書いているが、もちろんデュアルSIM機であれば挿しておいても良い。eSIMにも対応している。


さらに安くなる方法としてメイン回線をauのpovo、もしくは15GBになるがUQモバイルのくりこしプランMにする方法だ。
くりこしプランMは2021年2月1日から受付開始するプランで、2,480円で15GB(以降1Mbps通信可能)なプラン。
くりこし可能なので、毎月10GB超えるくらいの利用であれば今月だけちょっと使いすぎて超えちゃうみたいな時でも先月分のくりこしがあれば速度制限を受ける事もない。
povoなら2,480円で20GBとさらにお得。ただし繰越はない。
通話料金は20円/30秒の従量課金だが、楽天LINKアプリを入れれば無料通話可能。
ahamoやpovoのオンラインプランでは不可な法人契約もUQモバイルなら可能。
LINEの年齢認証は不可。ただしすでに年齢認証済端末であれば問題ない。(アカウントではなく端末に紐づく)
私の歳ではあまり使わない機能だが人によっては困る人もいるだろうな。
個人的にはUQモバイル、というかauはスマホで3Gが使えないので地方に行った時にドコモと比べて電波が弱いのではないかと思っている。
もうすぐ5Gが始まる中、4G(LTE)が届かない場所に行く事って年に何回あるんだよ、って感じだが、例えばスノーボードが趣味で冬は雪山に入り浸っている人だと、圏外で友達と連絡取れないなんて事が起きるかもしれない。
4Gが届かない秘境でも3Gはギリ掴むというイメージがあるのは私だけじゃないだろう。
極端な例だけどタイとミャンマーの国境だとギリ3G掴んだり掴まなかったり
auもスマホで3Gが使えない事から4Gだけでの人口カバーに躍起になっていたのでむしろ他社より4Gが強いと信じたいしいずれにせよドコモもソフトバンクも5年以内に3Gは停波するのでこの悩みは消えるのだが。
auのpovoは通話無しの代わりに2,480円と他社より500円安いので楽天LINKとの親和性高いが上記3Gが使えないという理由がネック。
softbank on LINEはLINEは使い放題だがLINEでそんな容量使うか?と。同じ価格ならドコモの電波の方がいいなと。
後ahamoは海外(82の国・地域)でそのまま利用可能というのがむちゃくちゃ強い。
コロナでアクセス数が激減してしまったが元々ケース研の人気コンテンツに海外のプリペイドSIM情報があるのだが、もはやこんなもんいらなくなる。

格安で言うとワイモバイルのスマホベーシックプランは留守電や携帯メアドもあり10分通話無料とコスパ良かったけど、12月に発表したシンプルプランだと今のUQモバイルのプランには勝てないなぁ。
ちなみに携帯メアドを重宝する親世代にはワイモバイルまじでおすすめだが。

問題は20GB以上使う人
私がコロナ前で毎月10GB前後なので、コロナが収まり5Gを活用したリッチコンテンツが出てきたとしても20GBあれば当面は大丈夫だと思うが、毎月20GB以上使っている人は悩ましい。
それだけハードに使う人だとなおさら楽天モバイルのエリアには不満を感じると思うし、格安SIMでは速度に不満を感じそう。
安定して使いたいなら現時点ではドコモならギガホ プレミア、auなら使い放題MAX、ソフトバンクならメリハリプランに入るしかないだろう。
月30GBくらいまでならオンライン専用プランにして月の後半は1Mbpsで耐えるというのも手だが。
そもそも昨今の携帯料金革命はギガ消費が少ない人が多い人の養分になってしまっていたのを是正した事なので恩恵を受けてきた側である消費量が多い人らは解決が難しい。
まとめ
楽天モバイルはプラチナバンド対応するまではサブ回線以上には出来ない。
逆に言うと無料で1GBまで使え、電話もかけ放題、しかもその電話番号は楽天SIMを抜いた状態でも使えるというのは神がかったサービスであり持ってて損はない、というか絶対持っておくべき。サブ回線としては最強。(昔はTOKAIの株を300株買ってLIBMOの3GBプランを月額30円運用するというのが最強のサブ回線としてオススメしていたんだけど)
スマホには電波最強のahamoか、コスパ最強のUQモバイルのSIMを入れ、通話は楽天LINKを使い、いざという時のために楽天SIMは自宅で眠らせておくのが正解だ。
なのでまだ楽天モバイル回線を持っていない人はとりあえず申し込もう。さすがにそろそろ先着300万回線の1年無料オファーが終わると思うので。
申し込むなら以下をエントリーしておこう。
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